2002年06月30日
最近、歯を白くしたいという患者さんが増えています。
矯正専門の先生の中には10年以上も前からブリーチングを行っている先生がたくさんいらっしゃって、今まで「広先生はどうしてやらないの?」と聞かれることが多々ありました。
私自身も興味が全くないわけではなかったので、機会あるごとに文献等を渉猟してきましたが、やはりイマイチ不明な部分が残されているため、今までは、行ってきませんでした。
しかしながら、最近、成人患者さんで矯正治療後にホワイトニングを希望される方が多く、また電話でもホワイトニングに関する問い合わせが増加してきているため、6月30日、時差ボケも回復しきらないまま、東京医科歯科大学卒後研修セミナーのプログラムであるホワイトニングのセミナーを受講してきました。
それで、今後の方針について結論から先に申し上げますと、ひろ矯正歯科ではホワイトニングは行いません。
その理由として、
1,一旦ホワイトニングを行うと、その後も継続して漂白を行い続けなければならないことが多い。
2,ホワイトニングを行ったことで、逆に外来色素の沈着を起こしやすくなることがある。
3,漂白剤の作用によって歯肉に炎症や潰瘍を起こすことがある。
4,歯の知覚過敏を起こして冷たいものにしみるようになることがある。
5,矯正患者さんの場合、矯正前の歯並びが凸凹であるために多数の虫歯の修復がしてあることが多く、ホワイトニングによってそれらのレジンの色調が合わなくなってしまい、やり直さなければならない場合が多い。
6,ホワイトニングを行う前と、行った後での歯の強度に関する定量的なデーターが、私の調べた限りでは不明であり、ホワイトニングによって歯が欠けやすくなるという一説を完全に否定することは出来ない。
等々です。
これらは歯科医院で行うオフィス・ホワイトニング、自宅で行うホーム・ホワイトニングのいずれについても共通です。
もちろんこれらは、私の private opinionであり、ホワイトニングを行っている先生達を批判するたつもりはありませんので、誤解なきよう、お願いいたします。
矯正歯科というのは本当に分の悪い仕事で、収入のことだけを考えるならば、60万円の矯正費用で2〜3年間に及ぶ治療を行い、治療後5年以上も経過を追い、その後、万が一凸凹が出てきた場合には再治療費を頂くことなく再治療を行いますので、単純に考えても矯正の患者さんを1人治療するならば、ホワイトニングの患者さんを10人治療した方が遙かに儲かりますし、精神的にも楽だとは思いますが、
私自身の出した結論として、「当医院では、審美のみを目的としたホワイトニングは行わない。」ということを決断しました。
もちろん矯正治療中の患者さんの歯のクリーニングなどは従来どおり行います。
みなさん、通販のホワイトニングキットなどは、絶対に、絶対に、やめた方が良いですよ。
余談ですが、このホワイトニングの講師は、「受講生は遠路はるばる、忙しい時間を割いて参加しているのだ」ということを全く自覚しておらず、講義の進め方も思いつくまま、質問に対する回答も受講生を侮辱したような、非常識でたいへん腹立たしいものでした。
Toshiaki Hiro|記事URL