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院長日誌

2003.02.18 書籍 Quintessenceより Invisible Orthodontics 発刊さる!

Quintessenceから舌側矯正の専門書、Invisible Orthodontics が発刊されました。

Authors は Dr.Scuzzo とDr.Takemoto、全173ページで、最近の舌側矯正のコンセプトやソリューションが詳細に述べられており、読めば両先生のバイタリティーにただただ、敬服するばかりです。

しかも冒頭の部分には "Special thanks to Dr.Toshiaki Hiro for having propounded the Hiro system technique" と書かれており、39ページから50ページにわたり、Hiro System の Laboratory procedure からbondhing key points に至るまで詳細に記載されています。
僕のような田舎者がこんな立派な本で紹介されて、本当に感激です。

2003.02.15 学会・セミナー Dr. G.W.Arnett & Dr. R.P. McLaughlin 外科矯正セミナーに参加

2月12日~14日、東京ヒルトンで Dr. G. William Arnett & Dr. Richard P. McLaughlinの外科矯正セミナーが開催されました。
Dr. Arnettは Californiaの Santa Barbaraで開業しているOral Surgeryの専門医(!)で、年間100 CaseものSurgeryをこなしているそうです。Dr. McLaughlinは California San Diegoで開業している矯正歯科専門医です。


Dr. Arnett


Dr. McLaughlin

一般的に、私たち矯正歯科医が頭を悩ませている問題については、口腔外科サイドの先生は詳しく理解してくれていない傾向があり、受講する前は矯正専門医 VS 口腔外科医の熱いバトルが見られるのかと期待していましたが、Lectureが始まってすぐに、両先生が非常に素晴らしい関係で仕事をされているということがわかり、矯正専門医の私としては、ただただ、羨ましい限りでした。

今回のセミナーの Main themeは Facial Planningで、Natural Head Postureにおける Lateral Cephalometricsから TVLをおろし、7 steps CTPにより分析をしてゆくもので、要旨は1999年に AJODOにすでにpublishされております。


7 Steps CTP

近年、Cranial Baseに主眼をおいた Hard tissue 主体の従来の分析方法では、さまざまな問題が指摘されています。
私たち矯正専門医は、矯正界の門戸を叩いたときから、Angleの不正咬合の分類を学び、 Angleと Caseの controversyについて考え、Tweed, Steiner, Downs, NW, Ricketts, McNamara, etc.などを矯正学のイロハとして勉強してきています。
ところが、最近、これら硬組織を主眼に置いた分析方法では問題があると私たち自身も感じており、また、Caucasianにとっては問題なしとされることが、High angleで Crowdingの著しいJapaneseには当てはまらないことが非常に多く、診断の際には得られたデーターに自分の経験を加味して modifyしているのが現状です。

ですから第三者に「なぜ、こうしたのか」と聞かれると Subjectiveな返答が出来ないことが多々ありますが、今回の Dolphin Imagingを使った分析は Caucasianのみでなく Japaneseの Normと S.D.も installされており、私たち臨床家にとっては非常に有意義なものです。

今回のセミナーで彼らが私たちと決定的に違う点は、
1,患者構成、
2,患者意識、
3,口腔外科医のレベル、
の3つだと思いました。

1の患者構成に関しては、caucasianにおいては当然ながらClass IIが多く、しかもDr. ArnettによればClass II Surgery の内訳は上顎単独5%、下顎単独15%、上下同時移動80%ということでした。
Class IIなのに上顎の advancementを行い、下顎をさらに advanceするということが多い、ということでした。
日本ではそのようなケースは非常に希だと思います。
また、Occlusal plane が Steepなので PNSを降ろして Mxを counterに回す → 下顎のForward Rotationが可能になる → Chin projectionが改善される、というcaseが多く、上顎の Impactionは行うが、set backは行わないということでした(やってはいけないというのではなく、ただ単にそうゆうケースがない、とのこと)。
これについても 14ミリ以上のcrowdingと8ミリ以上の Class IIの臼歯関係を併せ持っている事が珍しくない私たち日本人には当てはまらないな、と感じました。

また、Double Jaw Surg.を行う場合、日本では上顎を先に切り、固定した後で下顎のオペに入るということが常識ですが、Dr.Arnettは下顎を先に切って、そのあとで上顎を切るということでした。
これはいくら考えてもおかしい、上顎を先に切ってしっかり固定し、それに合わせて下顎を持っていった方が絶対に stableなのに、なぜそんなことをしているのか??と自分なりに考えてみたところ、、、PNSを数ミリ~10数ミリ下げなければならない場合、下顎のオペを先行しないと、降ろされた上顎の臼歯が下顎と干渉し、下顎のオペの邪魔になるからではないか、という結論に達しました。。

2の患者意識については、オペ時間、入院期間などが日本と全く異なるため、患者さんサイドとしても外科矯正を受け入れやすい状況にある(というよりも、Dr.ArnettはSurg.専門開業されているので、そうゆう患者さんが自然に集まる)と思いました。

3の口腔外科医のレベルに関しては、分析が0.5ミリ単位で行われていることを見ても、彼がいかに精度の高い仕事をしているかは明らかで、lecture を聞いていても Dr.Arnettの厳格な性格は伝わってきました。
0.5ミリ単位ということは、当然、治療後の評価も0.5ミリ単位で行われているわけです。
時々、顎間固定を除去したとたんに Verticalあるいは Horizontalに数ミリずれが出てしまい、その数ミリのズレをとるのに私たち矯正専門医は数年間悪戦苦闘し、それでも治れば良いほうで下手をすると一生ひきずってしまうことがあります。
そのことについて執刀してくれた口腔外科医に話しても、トラブルになるだけで解決されるわけではないので、話さない、話さないから私たちが満足していると誤解している口腔外科の先生が多いです。

日本の口腔外科医が決してアメリカの口腔外科医より劣っているなどとは思いませんし、日本には世界に誇れる素晴らしい口腔外科の先生もいらっしゃいます。
私も最近やっと素晴らしい口腔外科の先生と知り合うことが出来、そういったストレスから解放されつつあります。(その先生に御迷惑がかかるといけませんので、その先生が誰であるかはここでは紹介出来ません。御了解下さい。)

日本では口腔外科単科開業というのは余程の crazyでなければ考えられないでしょうが、日本の専門医がみな外科症例で頭を抱えているということを考えると、Dr. Arnettのような仕事をしてくれる口腔外科医が日本にもいれば、日本全国から矯正医が患者さんを連れてやってくることは間違いないと思うのですが、、。
そのためには、まず現行の保険制度を改めなければなりません。
日本は誰のために存在し、税金や保険は誰のために毎月支払われているのか、政治家達がわかっていない以上、私たちに国民に明るい未来は来ないと思います。

プロフィール

院長

長野県松本市在住

  • 1960年生まれ

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