「こんなところで矯正専門開業なんて絶対に無理だ」と、たくさんの人から笑われ、反対されました。
1994年、私が塩尻市広丘の古く狭いテナントで矯正歯科専門の医院を開業した時のことです。
通常、矯正歯科は人口10万人に対して1人の矯正専門医が妥当であるとされていますが、塩尻市の人口は約6万人。しかも車で5分ほどのところに歯科大学がありますので、矯正歯科専門では成り立たないと考えるのが普通だからです。
しかしながら私は、田舎から都内まで治療に通う人がいるならば、都会から田舎に治療に来る人がいてもいいのではないか、優れた医療を行うのに人口や交通の便など関係ない、と考え、私はこの地を選びました。
開業当初からたくさんの患者さんや先生方に信頼され、今では県内全域はもとより、隣県や遠くは首都圏、近畿地方や北陸地方からも患者さんが来られるようになりました。
日本は今やとても豊かな国だと思いますが、こと、健康管理という面で見ると欧米の水準にはとても及びません。
例えばアメリカでは、歯並びが悪い人と肥満は、自己管理の出来ない人間として社会で認められません。これは差別ではなく、これらの疾病が全身にどれほど悪影響を及ぼすかということを誰もが良く知っているからです。
子供が熱を出して苦しんでいるのに、放っておく親はいないと思いますが、それと同様に、子供の歯並びが悪いのに放っておく親はいないのです。
大切な歯を失ってしまったら健康管理が出来ないので歯を大切にするのです。
日本でもそれくらい健康管理に気を遣う時代が来ていると私は思います。

