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スタッフブログ

  • 2008/09/18

    歯科衛生士会 生涯研修専門研修

    7月26日、27日の2日間、歯科衛生士3名で長野県歯科衛生士会の主催する生涯研修専門研修に参加してきました。
    研修会は松本文化会館で行われました。参加者は約300名。
    県内外からたくさんの歯科衛生士が参加していました。

     

    今回の研修会はどういったものかというと、歯科衛生士学校養成所指定規則の一部改正により、平成17年4月1日を施行日とし、平成22年4月1日までに歯科衛生士の養成機関が修業年限を3年以上に移行することになりました。
    それに伴い、新たな歯科保健医療ニーズに対応した知識、技術の習得をしよう!!ということで、すでに業務に従事している歯科衛生士を対象に開かれた研修会でした。

     

    研修内容は「高齢者ケアの基礎と実践」ということで、高齢者ケアについて9つの講演がありました。
    私はその中の4つの講演を聞いて学んだことや感想などお話したいと思います。

     

    研修会初日、一番最初に講演されたのは辰野町の歯科医院で働く歯科衛生士の方でした。
    内容は「訪問における取り組み」についてでした。その歯科衛生士さんのお勤めされている歯科医院は訪問診療に力を入れているとのことで、どの様に訪問診療を行っているか、どういった器具や材料を使いどの様な診療を行っているのか詳しくお話して下さいました。体験談を交えて話して下さったので、とてもわかりやすかったです。

     

    これからの時代、高齢者が増加していくことにより年々在宅での訪問診療増えていきます。
    そうすると口腔内のケアや治療をするのにたくさんの歯科衛生士が必要になってきます。衛生士がたくさん必要になってくるということは歯科衛生士も今まで以上に高齢者ケアの知識が必要になってくるということがわかりました。
    今、私はひろ矯正歯科に勤務している為、治療は矯正専門です。
    高齢者の方と治療で接する機会はあまりありません。
    接する機会がないこともあり、今まで訪問診療や高齢者ケアについて考えることがあまりありませんでしたが、講演を聞きこれからの歯科医療について考えることができ、もっと勉強もしなければならないということを感じました。

     

    次に「施設における取り組み」ついて講演して下さった方は、安曇野市の介護老人保健施設や特養などの3カ所の施設に勤務されている歯科衛生士の方でした。
    施設の設備や遺品について、施設での歯科衛生士の役割や利用者の口腔管理の仕方についてなど、お話して下さいました。
    中でも何度も講師の方がおっしゃっていたのは協力やチームワークの大切さです。
    利用者の口腔管理をする上で大切なことはというと、やはり歯科衛生士以外の施設で働くスタッフの協力やチームワークが必要ということでした。
    大勢いる利用者の口腔管理をスタッフ全員で行うので、歯科衛生士とスタッフの間で歯科連絡ノートを作ってそこで連絡事項を伝えたり、スタッフからの質問があればノートに書いてもらい歯科衛生士はそこに質問の答えを書いて大切なことがもれない様にしているとおっしゃってました。
    このお話を聞き、改めてチーム医療の大切さを実感しました。
    確かに何十人といる利用者の口腔管理をするとなると大変です。
    歯科衛生士だけの管理では管理ができている人と、できていない人とで、ばらつきがでてくると思います。
    しかし他のスタッフに協力してもらうことにより、全員の管理を行うことができます。
    歯科医療においてもチームワークはすごく大切だと思いました。

     

    そして次に大阪府の市立池田病院歯科 歯科口腔外科主任部長の方の「急性期医療における口腔ケアの重要性」という講演を聞きました。
    まず口腔ケアとはですが、口腔ケアは口腔の疾病予防、健康維持・増進、リハビリテーションのよりQOLの向上を目指した科学であり、技術のことをいいます。
    その口腔ケアによってどんな病気が防げるか、どういった口腔ケアを行っているかなどお話して下さいました。
    先生が勤めていらっしゃる池田病院の口腔外科は歯科医師5名、歯科衛生士6名、歯科技工士1名、受付2名の総勢14名で口腔外科外来と口腔ケアセンターで別れて交代で仕事をされているそうです。
    この口腔ケアセンターというのは池田病院が日本で初めて平成16年7月に設置したそうです。
    口腔ケアセンターではどのような治療を行っているかというと、外科系の週術期の口腔ケア・内科的疾患などで、ADLの低下した患者の口腔ケア・抗がん剤の化学療法、放射線治療に伴う口腔ケア・NST(栄養サポートチーム)の一環として、摂食、嚥下機能支援・糖尿病教育入院パス関連・両親学級への参画を行っているとのことでした。
    そしてこの様な口腔ケアをすることにより、手術後の在院日数が減少したり、手術後の熱発の頻度が減少したり・してきたり、誤嚥性肺炎やインフルエンザの予防ができたりするということがわかっているそうです。
    口腔内ケアをすることで在院日数が減ったり、色んな病気の予防につながるというのは私も初めて知ったことだったのですごく驚きました。
    また、口腔ケアがそれだけ健康でいる為に大切なことだというのもわかりました。

     

    そして次に長野県歯科衛生士会口腔ケア推進理事の方の「ケアマネジメントと口腔ケアプラン」という講演がありました。
    ケアマネジメントはどういったものかというと、要介護者やその家族が持つ複数のニーズと社会資源を結びつけることで、目的は利用者が必要とするサービスを効果的・効率的に提供する為にケアマネージャーがサービスの選択を行うことによって、利用者のQOL(生活の質)の維持向上をはかるということでした。私はケアマネジメントとはどういったものか、ケアマネージャーとは何なのか頭でなんとなくわかっている様な感じがしていましたが、講演を聞いてみると知らなかったことが多くとても勉強になりました。
    会場内には300人近くの歯科衛生士がいましたが実際にケアマネジメントの資格を持っていたり、ケアマネジメントに携わる仕事をされている歯科衛生士の方もたくさんいたので、高齢化社会に向けて口腔ケアマネジメントに関心を持っている方が大勢いるということに気づきました。

     

    2日間かけて歯科衛生士会の研修に参加してみて思ったことは、まず長野県内の歯科衛生士の高齢者ケアへの関心が高いということです。
    講師の方もおっしゃっていましたが、他県でこの研修会に参加した歯科衛生士は40名程で、300名も集まってくれると話しがいがあるとおっしゃってました。
    それだけ長野県内の歯科衛生士の関心が高いことを実感しました。
    また、歯科衛生士の年代の幅が広く、学生もいれば30~50代くらいの方もたくさんいました。
    それだけ色んな年代の人が高齢者ケアに対しての熱心で、これからの歯科医療に必要と感じているんだと思いました。

     

    私自身の感想としては、普段診療所以外で働く歯科衛生士の方の仕事内容について話を聞くことがないので、様々な現場で働く歯科衛生士の方の講演が聞けたのはとても良かったです。
    同じ職種なのに働く場所が違うと仕事の内容も異なってきます。
    実際にどんな仕事をされているのか、どんな患者さんや利用者がいるか。
    良かったこと、嬉しかったこと、困ったこと、そういったことは実際に仕事をされてる方からでないと聞けないお話しなので、今回色んなことが聞けてとても参考になりました。
    また、高齢者ケアについても知らないことばかりだったので、すごく勉強になった2日間でした。

     

    今回の研修会に参加して聞いたお話や学んだことは、どれも勉強になりました。歯科衛生士の仕事をしていく上で学んだことをぜひ活かしていけたらいいなと思います。

     

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