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スタッフブログ

  • 2008/12/11

    フッ素について

    みなさん、こんにちは!!
    受付のあんちゃんです。
    今回、私はフッ素について調べ、12/6の勉強会で発表しました。

     

    ☆フッ素とは??
    地球上にある約100種類の元素のひとつ。(Fluorineといい、元素記号はF)。
    反応性が強く、他の元素と必ず結合し、フッ化物(Fluoride)として存在している。
    フッ素は人間の身体の中では13番目に多く、海水中では12番目に多い元素!
    人の身体全体で平均すると、体重1kgあたり42.8mgのフッ化物が含まれている。
    生体必須栄養素として、1日3g必要とされている。

     

    単位:ppmピーピーエム(part per millionの略で、100万分の1の割合を表す)
    %(100分の1の割合)
    mg(1000分の1の割合)
    mgF(1ppmの水1Lのフッ化物量)
    ex)フッ素濃度1ppmとは...
    ⇒物質1kg又は1Lあたり、1mgのフッ素を含むという意味。

     

    ☆フッ素が多く含まれる食品 (単位:ppm)    
    塩     25.9          いわし     8~19.2
    えび    4.9           海藻      2.3~14.3
    砂糖    1.7~5.6        牛肉     2
    味噌    0.9~11.7       じゃがいも   0.8~2.8
    ビール   0.8           大根     0.7~1.9
    りんご   0.2~0.8        紅茶     0.5~1.0

     

    <その他>
    海水    1.3           地中      280
    川水    0.1~0.2        水道水     0.08~0.8(平均0.098)
    ↑   
    濃度に差がありますが、これは寒い地域の人に比べて、
    温暖な地域に暮らしている人は、1日に摂取する水の量が
    多いので、最適なフッ素濃度はその地域の年間の平均気温
    を基準として決定されているため。

     

    ※フロリデーション
    ・水道水に自然に含まれているフッ化物イオンの濃度を歯の健康にとって
    最適レベルに調節すること。
    ・う蝕予防効果は40~70%
    ・においや味は、普段の水道水と変わらない。
    ・現在、日本では行われていない。
    ・世界の実施割合
    シンガポールと中国の香港特別行政区 100%
    マレーシアとアイルランド 70%
    オーストラリア 67%
    アメリカ 62%
    ニュージーランド 60%

     

    Q.う蝕予防のフッ化物と食品に含まれるフッ化物は同じ??
    ⇒性質は全く同じもの。
    う蝕予防に用いられるフッ化物は、フッ化ナトリウム(NaF)が多く使われるが、
    天然の岩石のほたる石や氷晶石から精製されるので、天然のフッ化物そのもの。
    このフッ化ナトリウムは、水に溶けるとフッ化物イオンになり、食品に含まれる
    フッ化物は、フッ化物イオンとして存在しているので、性質は全く同じもの。

     

    ☆歯に対する効果は??
    1.歯の質の強化(耐酸性増強)
    フッ素が歯に作用すると、歯の表面のエナメル質の結晶が安定し、
    ミュータンス菌の出す酸に対する抵抗力を強める。
    (歯の表面を酸に溶けにくい質に改良する)
    2.初期う蝕を修復(再石灰化促進)
    フッ素は、唾液中のカルシウムイオンやリン酸イオンとともに歯の表面に
    沈着し、虫歯になりかかった部分の再石灰化(カルシウムやリンなどの再沈着)
    を促進させ、エナメル質の生成を助ける。
    3.ミュータンス菌の酸産生を抑制
    ミュータンス菌が酸を作るのに必要な酵素に作用して、虫歯の原因となる酸が
    作られるのを抑制する。

     

    ~フッ化物とエナメル質の反応~
    エナメル質のハイドロキシアパタイトの結晶がフッ素に触れ、
    耐酸性のあるフルオロアパタイトの結晶に置き換わることによって、
    歯質が強化される。
    ・低濃度フッ素(洗口や歯磨剤)の場合
    Ca10(PO4)6(OH)2+2Fヒ堰iハイドロキシアパタイト)

    Ca10(PO4)6F2(OH)ヒ堰iフルオロアパタイト)
    ・高濃度フッ素(フッ化物塗布)の場合
    Ca10(PO4)6(OH)2+20Fヒ堰iハイドロキシアパタイト)

    10CaF2+6PO4 3ヒ・20Hヒ堰iフッ化カルシウム)
    Q.ハイドロキシアパタイト??
    水酸化リン酸カルシウムのことで、骨や歯の主成分。
    歯のエナメル質の95%以上を占め、象牙質やセメント質の60~70%を
    占めている。エナメル質よりも少し柔らかい程度の硬さで、酸性によく
    溶ける性質をもっている。
    Q.フルオロアパタイトとは??
    ハイドロキシアパタイトの水酸基がフッ素イオンと置換することによって
    生成される成分。ハイドロキシアパタイトよりも強い耐酸性能力を持ち、
    う蝕になりにくい歯面を形成する。

     

    ☆フッ化物局所応用の種類と特徴
    00.bmp
    ・リン酸酸性のナトリウム(APF)溶液
    →酸性のため、チタンなどの金属に対して腐食性がある。
    ・フッ化ナトリウム
    →無味、無臭、無色の中性液体。
    ・フッ化第一スズ
    →渋みがある。
    歯肉や粘膜に付着すると、白斑を生じたり、塗布後、日が経つと、歯面に褐色の
    着色を生じる場合がある。(唾液に含まれる硫黄とスズイオンが反応したため)

     

    ひろ矯正歯科では・・・
    歯面塗布剤:フルオールゼリー(濃度2%のフッ化ナトリウム)
    少し酸味と甘みがある。
    歯磨材:メルサージュクリアジェル(アップルミント味)
    フッ化ナトリウム使用(950ppm)
    税込 735円

     

    ☆口腔内のフッ化物残留量
    01.bmp

     

    歯磨材は、使用量に対する残留量の割合が、30%と1番多いですが、使用量が少ないので、
    残留したフッ化物量は、他に比べて少ないことがわかる。

     

    ☆フッ化物の中毒量
    フッ素は、う蝕予防の効果があるが、他の全ての薬物と同様に、その使用方法を誤ると、
    人体に害を及ぼす毒性をも併せもっている。
    ・症状が現れる最少量:2mgF/kg
    (初期の中毒症状:吐き気、腹痛、下痢などの胃腸症状やダラダラ唾液が出る)
    ・治療、入院などの処置を必要とする量:5mgF/kg
    ・命に差し障りのある最小量:74~74mgF/kg

     

    ※医院で販売しているクリアジェルでは、どのくらいの量で症状が現れるか計算してみました!
    クリアジェルは60g入りで950ppmなので・・・1本の中に57mgのフッ化物が含まれてる。
    50kgの成人、15kgの子供の場合・・・
    初期症状が現れる:成人→100mgF(クリアジェル約2本分、約240回分)
    子供→30mgF(約半本分、約63回分)
    入院や治療が必要:成人→250mgF(約4本分)
    子供→75mgF(約1本分)
    命にかかわる:成人→3550~3700mgF(約62~64本分)
    子供→1065~1110mgF(約18~19本分)
    ◎上記は、一度に摂取した場合の量です◎
    1.bmp

     

    Q.歯のフッ素症(斑状歯)とは??
    ・歯の石灰化期(6ヶ月~5歳くらい)における長期的なフッ素の過剰摂取による生じる
    エナメル質の形成不全症。
    ・歯の表面に白または茶褐色の斑点や縞模様が生じる。
    ・軽度のものは歯の表面に白濁として認められ、重度のものはエナメル質表面の溝状や
    階段状の実質欠損として認められる。      
    3.JPG

     

    Q.骨硬化症とは??
    ・骨にフッ素が沈着して骨が硬化するもの。(骨の石灰化)
    ・現在認められている骨硬化症のうち、フッ素が原因で生じたものを識別して“骨フッ素症”
    と呼ぶ。
    ・軽度のものはX線写真上において、骨の不透過像がはっきりわかる程度だが、さらに進行
    すると、靭帯にも石灰化が認められ、骨の異常突出(骨隆起)や外骨症などが起こる。

     

    ☆多量に誤飲してしまった時の救急処置
    2.bmp

     

    1度に数回分飲み込んでしまい、胃腸症状が気になる場合は、牛乳を飲むのも効果的。
    牛乳に含まれるカルシウムと体内のフッ素が結合して、不溶性のフッ化カルシウムという
    無毒の物質になることで、胃からの吸収を押さえ、フッ素中毒を防ぐことができる。

     

    <参考文献>
    ・「フッ素で健康づくりーむし歯予防に関するフッ素の正しい理解とその一般的な使い方ー」
    2000年11月8日 第1版 第1刷 発行  砂書房
    ・「だれにでもできる 小さな努力で 確かな効果ーう蝕予防とフッ化物の応用ー」
    2001年11月8日 第1版 第1刷 発行  砂書房
    ・「フッ化物ではじめるむし歯予防」
    2002年11月10日 第1版第1刷 発行  医歯薬出版株式会社
    ・「これからのむし歯予防ーわかりやすいフッ素の応用とひろめかたー」
    1993年11月15日 第1版 第1刷 発行  株式会社 学建書院
    ・「日本におけるフッ化物製剤ーフッ化物応用の過去・現在・未来ー」
    2004年9月17日 第1版 第7刷 発行  財団法人 口腔保健協会

     

     

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