2026年 6月 4日、第34回 日本成人矯正歯科学会学術大会が神戸国際会議場で開催されました。
自分は思うところあってこの学会は退会したのですが、本大会ではアメリカから出口徹先生が「米国矯正歯科大学におけるデジタルシステムの応用について」という演台で講演されるので、アメリカでの現状を聞くために、Toru先生の講演を聞くことを目的に非会員として参加しました。

会場入り口では小谷田先生とバッタリ!
小谷田先生は親分肌で、人望に熱く、弱きを助けてくれるお方です。
久しぶりにお会い出来て嬉しかったです。
お元気そうでなによりでした。

小谷田先生の執筆された舌側矯正の本は必読です。
まだ読んでいない方は、是非、購入してください。貴重な財産となります。

会場にて。聞くだけで発表がないと気が楽です。
Toru先生の講演について記します。
現在、米国のほとんどの歯科大学において、Intra Oral Scannerや 3D Printerを用いた矯正歯科臨床が行われており、さらには A.I.を用いた自動診断システム、IOSを用いた Indirect Bonding System、Facial Scannerや CBCTを用いた 3D 診断、Digital Softwareを用いた Anchorや Maxillary Skeletal Expansion、Direct Printでの In House Alignerなどが行われています。

Dr. Toru Deguchiです。金髪・長髪はトライアスロンのせいでしょうか?
研究面においても、A.I. 関連のテーマが大きな割合を占めており、Louisvilleでも以前より、A.I. を用いた自動頸椎成熟度(Cervical Vertebral Maturation Stage)認識システム、歯槽骨欠損部位自動認識システム、自動埋伏犬歯位置同定システムなどの研究を行っている、さらに、In House Alignerの臨床効果、混合歯列期における Aligner矯正治療の効果、ならびに Direct Print Alignerの機械的・化学的特性に関する研究も進めておられ、Anchor植立の Simulation、外科的矯正治療の Simulation教育は VRを用いて行っているとのことでした。
アメリカでは被曝の問題で CBCTを撮る機会が少ないそうで、Louisvilleでは埋伏か外科矯正以外は撮らせて貰えないそうですが、大学によっては全症例撮るところもあり、Southwestや Minesotaでは全症例撮っているとのことでした。
当然患者さんには研究目的であるということを説明し、同意を得た上で撮影されているのですが、この「患者さんの同意書を貰う」というのがなかなか厄介な仕事で、例えば、ひろ矯正歯科では、治療開始時に資料の公開に関して同意を頂き、サインを頂いているにもかかわらず、専門医試験などで同意書にサインをお願いすると、断る患者さんがいます。
事前に了承し、同意を得ているのに、です。
断られると、正直、アレな気分になります。
研究に関しても同様で、IRB(Institutional Review Board)を得なければ、患者さんが絡んでいる研究論文は書けません。
私も書きたい論文が 5つほどあるのですが、この IRBと患者さんの同意書を取るのが面倒なので、お蔵入りしてしまっています。
この書きかけの論文について、Toru先生と共同執筆で仕事をしたいと思い、お話しをしたかったのですが、講演後、あの非常識な Dr. SNSがず〜っと張り付いていたので、諦めて別の機会に相談することにしました。
話を戻します。
アメリカの大学では、Oral Scannerの使用は 70%で、20%の大学は Digital Set Upは全く使っていないそうで、使っている大学でも全症例の約40%ほど、3D Printerは 30%の大学が持っていないそうで、残る70%の大学の中の 10%のは全症例 print outしているとのことでした。思ったより低い数字で驚きました。
私も 20年ほど前に IOSを導入して Lingualの set upも virtualにしようと考えていたのですが、ひろ矯正歯科では、今も Alginate印象を行っています。その理由は、IOSを導入することで医院から Alginateや石膏がゼロになるのならやりますが、Activatorや L.A.など、どうしても石膏模型でないと出来ない Lab. workがあります。
L.A.は Bandせずに ST Lockを DBSして、口腔内で directに曲げる方法で数十症例行いましたが、早期治療の若年者では壊してしまう患者さんが多く、今は従来通り Banding、印象を採って作っています。
Chair timeに関しても IOSで scanして PCで data処理するよりも Alginateで採った方が全然速いので、Digital化のために無駄な設備投資をして、診療時間を延長し、無駄な事をやっている、そのコストは患者さんに跳ね返ってくるということになりますので、見送りました。
Alignerに関しては、全くやっていないという大学もアメリカにあり、やっている大学でも 60%が 8症例以下、In house Alignerについては 40%が経験無しで、授業でも Alignerを教えていない、その理由はちゃんと教えられる出来る先生がいないから、とのことでしたが、アメリカやヨーロッパでは、大学には Clinical Professorがいて、この人達はみな開業して成功している人が facultyになって学生達に教えに来ているわけです。
アメリカの開業医の96%は Alignerを使っている、しかも 30%は in houseとのことですから、ちゃんと教えられる出来る先生がいないんじゃなくて、競合相手を作りたくないので教えない、っていうことだと思います。
ちなみに、アメリカでは、
とのことでしたが、1、2は適応症をわきまえている、と言って良いと思います。
5はオカシイと思います。
例えば、ひろ矯正歯科では、Deep bite症例には殆どの症例において Utility Archを使いますが、これは上顎前歯の圧下を最も確実に行うことが出来る方法ですし、Alignerでは臼歯だけが接触して前歯は離開、その結果、臼歯部の開咬が起こるというのは周知の事実だからです。
Cephalogramの自動解析は、日本でも随分前から市販されていますが、Porion、Pogonion、L1などが間違って計測されていることが多いとのこと。
レントゲンが Digitalになって画像が鮮明になり、Scannerの感度が良くなり、AIが使われているにもかかわらず、20年ほど前と何も変わっていないのには驚きました。
私は、分析に関しては、レントゲンを自分の目でトレースをして、PCへも手入力しており、自動計測は使っていません。
自動計測だと、マシンが読み込んだ計測点を 1つづつ全て目視でチェックして、間違っている計測点は修正して、計算をやり直さなければなりませんので、そんなことをしているよりも、手入力の方が断然速く、間違いもなく確実にプロット出来るからです。
少し Digitalをカジッている先生は、そうでない先生のことを「遅れている」だの「アナログ」だの馬鹿にしますが、例えば、この Cephalo分析なども良い例です。
Digital化、自動化してメリットがあればわかりますが、そうで無いならやっている事は無駄以外の何物でもありません。
インドの優秀なドクターが Lingualの Virtual set upを1症例作るのに 1日かかるらしいですが、Manualでやれば 2時間程度で終わりますので、Digital化して、費用もかかる、時間もかかる、しかも出来上がったものはお粗末ならば、何をやっているんですか、ということです。
これを読んで、またヒロが何か言ってるぞと言う先生、Hybrid Lingualなどというインチキリンガルをやっていないで、私以上の結果を出して見せて下さい。
究極のLingualの Lab. workに関しては、理想的には2018年のDGLOで発表したとおり、Oral Scannerの dataを CBCTと combineして、PC上で Virtual set upを行い、そこから millingや castで Custom bracketを作るのではなく、Hiro bracketsやMienai bracketsのような Readymade Bracket に Compositeの Custom baseと Individual Trayを millingで作るという方法です。
なぜなら CAD/CAMを用いた Custom Bracketsは slotが粗造で space closeに時間がかかるということがわかっていますし、私の提案する方法だと Tie wingの形状に関する問題もクリア出来るからです。
Toru先生曰く、IBSに関しては、Manual、Digital、AIを比較して、ManualよりもDigital、AIが良好な結果を出しているとのことでしたが、これは Methodologyに問題ありです。
つまり、一般的に行われている Soft trayを使った IBSと Hiro system(弾性の無い個歯トレーでのIBS)の比較をして頂ければ、Hiro systemがダントツに精度が高いことは明らかです。
なぜなら、多数歯を一度に bondingする Soft trayを使った方法では、隣在歯との位置が変われば Tray は不適合になるので、例えば、Impression/Scanをしてからsetまでの間に抜歯したり bandingなどをすると不適合になるのですが、Hiro systemでは、隣在歯との位置関係には影響されませんので、精度が落ちることは無いからです。
また、Soft trayを使った IBSでは、tray保持の状態が悪いと trayが変形し、bracket positionが狂ってしまいますが、Hiro systemではこういった errorとも無縁です。
Hiro systemと soft trayでのIBSの精度を比較した研究が20年ほど前にUniv. Parisで行われており、Hiro systemのほうが抜群に高精度であるということを Prof. Alain Deckerから聞きましたが、彼が死んでしまって、そのpaperはお蔵入りになったようです。
これを読んだら、またもや あのイタリア人と日本人のペアが Hiro systemは精度も劣り時間もかかる、というペーパーをJCOあたりに出してくるだろうなと思います。
ちなみにこの 2人は、私が世界で初めて EBOに全症例 Lingualで合格したことや、世界で初めて ESLOの Titularに選ばれたことを妬んで、私をトップの座から引きずり下ろすことを目的として、講演でもいろんな妨害を行い、IBSは Hiro systemを改悪して Ko●●on baseなどという方法を世界に広めようとしましたが、結局精度が出ずに治療結果にまで影響したため、 Ko●●on baseを延長して切縁/咬合面の一部を覆って、bracket接着後にそこを切断するという方法を使っているようですが、これは私が日矯歯誌で論文にした原法とまったく同じで、何をやっているのかと笑ってしまいます。
ちなみに、AIで調べると、Hiro systemはブラケットが外れた時の rebondingが出来ない、と解説していますが、これは間違った情報で、Hiro systemは Jigを有していますので、rebondingに対応しており、bracketが外れたり紛失したりしても何ら問題は無く、容易に再製作・再装着が可能です。
最近、材料各社がIBSのオーダーを受けているようで、OrmcoではOral ScannerのdataとCBCTのdataをcombineさせてIBSを作る試みが行われており、CBCTを使った方が torque, angulationの controlが良好であるという結論でしたが、当たり前のことで、インドでは私の知る限り15年ほど前から行われていますので、今更感があります。
長くなりましたが、今後、Digital、AIが発展すると、どうなるか、考えてみました。
Digitalや AIが発展すると、その結果として、
等々の実害が出ます。
パソコンや携帯ばかり使っていると、漢字が書けなくなるのと同じです。
私は、必要な部分は digital化しますが、この先も、私にしか出来ない治療をしてゆきたいと思います。

学会前日に神戸入りしましたので、有馬温泉を散策、に金の湯と銀の湯に入りたかったですが、また今度。

温泉街では賞味期限 5秒の炭酸煎餅と金箔アイスを頂きました。

神戸市内のホテルにチェックインして、美味しいビールを飲みにモザイクに向かいました。
E. H. Angle Societyの Midwest Annual Meetingが Tucson AZで行われましたので参加、Long term stabilityについて講演しました。
そうです、 2024年12月の長期安定矯正研究会で講演したあと、酒の席でさんざん私の悪口を言いまくった上に、あろうことか、SNSで「長期安定と長期保定は違う」と騒ぎ立てたアフォ(こうゆう言葉は使いたくないのですが、還暦も過ぎて 2つも医院を経営している者が全体公開の SNSで、誰のことを指しているのか容易に特定が可能な状態で悪口を書くというのは、幼稚なアホだと思います)がいましたので、あの時の LTSOAと全く同じPPTを矯正大国アメリカの Angle meetingで発表したら、世界の矯正歯科界をリードする先生達はどう考えるのかを見ることが目的です。
「長期安定と長期保定は違う」という意見が一人でも出ればあのアフォの言っていることが正しくて私の負け、そうゆう意見が一人も出なければ私の勝ちでアフォの負け、ということになります。
さらに、下顎犬歯間幅径を拡大してはいけないという、矯正学の大原則として教えられて、今も世界中の矯正医が信じていることが、じつは間違っているということ、そして下顎埋伏智歯の抜歯をしなくても下顎前歯の叢生の後戻りには影響が無いということ、後戻りを防ぐには臼歯をどのように排列すれば良いのか等々について、私の考えをAngle Societyでプレゼンしたら、世界の一流の先生達はどう反応するのかを見るのが目的です。
今回の私の発表は、Scientific researchでもなければ、Case presentationでもありませんので、文献的考察もなければ、症例の分析値や診断結果、術前術後のセファロの重ね合わせもありませんので、予めそのことは Discusserに連絡した上で発表しました。

Angle学会では、演者のプレゼンのあと、Discusserがその演者の口演内容について、コレはこうだ、アレは違うと、事前に Discusserに送った PPTの内容について詳しく調査検証した結果を報告するのです。
入会した時には、なんという恐ろしい学会だ、と思いましたが、いい加減な発表は許されない、ということです。
今回の私の Discusserは、Dr. Toru Deguchi、恩師の出口敏雄先生のご長男で、Univ. of Louisvilleの現役の Professorです。
Prof. Deguchiからは、まず、私のプレゼンに対して、舌側矯正でここまでキチンと治していることに驚嘆と賞賛のお言葉を頂きました。
そして、20年以上もの長期に及ぶフォローアップを続けていることについて、それほど長期間のフォローアップを一体どうやって行っているのか、アメリカでは考えられない(お金にならないから)とのお言葉を頂きました。
これはアメリカだけでなく日本でも同じで、ひろ矯正歯科では、保定の患者さんが来院する毎に観察料として 2,200円、或いは 3,000円頂いていますが、来院された患者さんの噛み合わせやリテーナーの不具合をチェックし、問題があれば修正し、歯石除去や歯のクリーニング等を行いますので、医院側のコストは最低でも 30,000円ほどかかりますので、長期保定を行うということは大赤字なのです。
それでも私は一生懸命治療に通ってくれた患者さんのためにボランティアで長期保定を続けていますので、医院経営の観点からすると、あり得ない話なのです。
長期保定に関しては、ひろ矯正歯科では、初診時、診断時、リテーナーセット時、治療終了時、治療終了から2年半経過時、3年経過時、と、最低でも6回は説明をしていますが、それでも、患者さんの中には「いつまでリテーナーを付けておかないといけないのか」とか、「いつになったら外してくれるのか」と言う人がいます。
そういった人に対してまでボランティアを続ける必要は無いと思いますので、そのような患者さんは、再度後戻りの説明をしてからリテーナーを除去し、経過観察も打ち切りとしています。
外したいという患者さんの中には、一般歯科で「外さないと虫歯になる」、「歯周病になる」等々言われ、それを信じて外してくれと言う人もいますが、リテーナーが付いた状態でフロスや歯間ブラシを使う事が出来ますので、お教えしたとおりにキチンと手入れをして頂ければ、虫歯や歯周病の心配はありません。
何年もリテーナーが入っている状態でキチンとメンテナンスされているのに、虫歯になるという歯医者は口腔清掃に疎い歯医者に違いないと思います。
話を学会でのプレゼンに戻しますと、Discusserの Prof. Deguchiからは Technical questionとして、
などの質問がありました。
1~6,8,9,11,16は今回のプレゼンの目的から外れますので説明しませんでしたが、今後の大会で Case presentationを行い、そこで説明する予定です。
7は Lingualでは Arch Wire Coordinationは無意味であるということは既に過去の大会で発表済み(その時は確か Deguchi先生はK先生と帰られて会場に居なかったように記憶しています)、10は使いませんし使ったらダメです、12はプレゼンで説明したとおり Cortical bone anchorageではありません、13は Horizontal, Verticalなrelapseが見られる症例があります、14は私はオリジナルの mienai bracketsを使用しており、この bracket以外では良好な治療結果が得られません。CAD/CAMの装置や他社のリンガルブラケット、特に self ligationは使いません。これは過去に使って2度と使いたくないとウンザリしたのが理由です、15は全て画一的ですが、deep bite症例に対しては bite plate付きの Circumferential typeを夜間のみ使用することがあります。
そして、
という評価を頂きました。
1,4は私もそう思います、2,3は実際にはそうではありません。
Conclusionでは、
とのことでした。
1-①、②は、そうではありません、③はそうゆう症例もあります、2はそのとおり、3はそうゆう症例もありますが、長期にわたって戻らずに安定している症例もあります(Labialなので今回は提示しませんでした)
私の Summaryに対する見解は、
とのことでした。
そのあと、会場の 2名の先生から質問がありました。
1人目、Michiganの Dr. Oppenhuizenは、私が Deep bite case の retentionに関しては、Clear retainerは臼歯部の離開を招き、Deep biteがrelapseする原因になるので使うべきでは無い、Circumferential typeの Retainerに Bite planeをつけて Fixedの上から就寝時のみ装着すると良いと言ったのに対し、彼は Clear retainerの7番部分のみを Cutして装着すると7が挺出してきて Deep biteのrelapseを予防できる、という意見でしたが、私はこの方法には賛成できません。なぜなら、clear retainerは咬合調整されておらず、咬合接触が不均一なので、咬合が狂ってくることがわかっているからです。さらに Deepbiteの治療は臼歯を Extrusionさせるのでは無く、前歯を Intrusionさせなければならず、それは保定に関しても同じだと考えるからです。
2人目は Wisconsinの Dr. Liu、私の医院の患者の年齢層に関する質問で、ひろ矯正歯科の患者さんの 50%は成人で、60台後半の方もおみえになるとお答えしました。彼のもう一つの質問は、日本の LTSOA研究会の詳細を教えてくれとのことでしたので、LTSOA Presidentの明海大学歯学部歯科矯正学講座教授 須田直人先生が会場におみえになりましたので、須田先生に振りました。
須田先生は、LTSOAの目的は機械的保定に頼らずに舌圧と口唇/頬圧で歯の安定を期待する、という回答でしたが、この概念は 今から 70年以上も前、1952年に Brodieらが Buccinator mechanismとして提唱しており、矯正歯科以外の分野でも Neutral zoneとして知られています。
私の意見は、繰り返しになりますが、治療後の stabilityとは、前歯の叢生の後戻りだけではありません。
などなどが維持されていて、初めて安定と言えるのだと私は考えます。
Crowdingの relapseだけならば、daidzeinに関する研究が行われていますので、その研究を進めるべきではないでしょうか。
これらの公開質問のあとも、会場では数名の先生から個人的に質問を受けましたが、あの SNSに書き込んだアフォと同じレベルの先生は一人もいませんでした。
SNSでは「见贤思齐焉」と評してくれた先生もいました。
South Carolinaの Dr. Zhouです。これは、孔子の『論語』に由来する言葉で、「優れた人物に出会ったら、自分もそのようになりたいと努力・見習うこと」を意味するそうです。
良かれ悪かれ、SNSで書かれるのはあまり好きではありませんが、結論として、Discussorの Prof. Deguchiからも、会場にいた先生達からも、誰一人として「長期安定と長期保定は違う」という意見は出ませんでしたし、アフォに「いいね」するアフォも居ませんでした。

Univ. Paris Vの Professor、Dr. Guillaume LECOCQ, 僕が Sponsor となって Midwestに Applyされました。

今から36年前、C.H.Tweed courseを受講した時と、

今の私です。

アメリカに着いたら必ずホテルのバーでハンバーガーを食べます。
何処のホテルでも、ファストフードのハンバーガーとは全く違って、凄く美味しいです。

ホテルにはゴルフコースが併設されており、プレーしている先生もたくさんいました。
僕もラウンドしたかったなあ、、。

Tucsonと言えば、サボテンです。
滞在中、恩師の出口敏雄先生の弔報を受け取りました。
これについては、長くなるので別のブログで書きたいと思います。
次回の Midwest meetingは、2027年1月29日~2月3日、Puerto Ricoで行われますが、、、Puerto Ricoまでは行けないなあ、、アメリカは広いのにわざわざそんなところでやらなくても良いと思うんですが、、。
かかりつけの歯科医院で「この子はアゴが小さくて歯が入りきらないから、アゴを拡げなければいけない」、「早くしないと間に合わない」、「早く始めれば早く終わる」などと言われたために、セカンドオピニオンを求めて ひろ矯正歯科に来院される方が後を絶ちません。
先日も 3歳の子が S市の歯科医院で同様に言われて、不審に思った親御さんが相談に来られました。
私はズバリ、「アゴを拡げる必要はない」ということ、「拡大床では歯が動くだけでアゴは拡がらない」ということ、その理由と成長発育について説明をし、「3才の子にそんなデタラメなことを勧める歯医者には2度と行かない方が良い」とお話してお帰り頂きました。
しかし、こんな滅茶苦茶なことを言い、患者さんの治療のことよりも、自分の収入、医院の経営を第一に考える歯医者が無くならないのは本当に困ったものです。
こんなデタラメな歯医者を見抜くには、患者さん自身が正しい知識を持つことは絶対条件ですが、歯科医師側にも理解を求める必要があると考え、「矯正治療の必要性とタイミング」という演題名で、ひろ矯正歯科 めぐみ先生が塩筑歯科医師会 12月学術例会にて講演しました。
以下、内容を御紹介させて頂きます。
これらは、お子さんを持つお父さんお母さんの皆様に覚えておいて頂きたいことですので、御一読頂ければ幸いです。
まず、乳歯列期に矯正治療を開始する必要は無いということです。
乳歯列期の前歯部反対咬合の半分は、上顎前歯が永久歯に生え替わるときに自然と改善します。
なぜなら、上顎乳前歯は歯軸が立っているのに対し、上顎の永久前歯の歯軸は前方へ傾斜しているからです。
非常に稀に、両親ともに骨格性の下顎前突で、子供もかなりの骨格性の問題がある場合には、6歳頃から成長のコントロールをすることがありますが、乳歯列期に治療を開始することはありません。
乳歯列期、混合歯列期に、ムーシールド、プレオルソ、小児用マウスピースなどを勧める先生が多いですが、その歯医者、成長発育を全く理解していません。
一度その歯科医に一体何を考えているのか問い詰めてみたいものです。
混合歯列期はどうでしょうか。
成長のピークは、女の子が11歳くらい、男の子が大体14才くらいです。
骨格性の上顎前突、下顎前突の治療は、成長を利用して治療しますので、成長が緩やかな時期に治療しても治療の効果は出にくく、「早く始めれば早く終わる」どころか、逆に治療期間が延びてしまいます。
開咬は、舌癖や指しゃぶりなどの習癖改善を指導しますが、アゴを拡げたりはしません。アゴを拡げるのは、上顎の臼歯が下顎の臼歯よりも内側に咬合している場合のみです。
片側性の臼歯部交叉咬合は、下顎が機能的に偏位していれば、偏位を是正する治療はしますが、混合歯列期にブラケットをつけることはありません。
正中離開は正中埋伏過剰歯があれば抜歯、上唇小帯が原因であれば小帯の切除を行うことがありますが、過蓋咬合や叢生などは、基本的に永久歯が全て萌出してからの治療になります。
しつこいようですが、「早くしないと間に合わない」、「早く始めれば早く終わる」とか、パノラマを見せて「歯が入りきらないから顎を拡げましょう」などと言う先生が多いですが、これらはみんな間違っています。
スーパーなどで上顎の前歯4本だけ矯正装置を付けている子を見かけますが、矯正治療は第二大臼歯まできちんと治療しなければなりませんので、第二大臼歯が萌出してこないと、治療期間が延びてしまい、早く終わるどころか逆に治療期間が長くなります。
この患者さんは、8歳の時にM市の小児歯科医院でこのパノラマ写真を見せられて、顎が狭いので歯が入りきらない、顎を拡げなければいけない、早くしないと間に合わない、といわれ、治療を開始したそうです。


8歳時の模型では、将来的に叢生は予想されますが、模型を見る限り特に拡大する必要性はありません。

早くしないと間に合わない、という歯科医の言葉を信じて8才から拡大を開始したものの、16歳になっても、まだ拡大が終わらないため、親が不信感を抱いて、ひろ矯正歯科に来院されました。

その小児歯科医曰く、左下3番が入らないので、まだ拡大は続けなければいけないと言っていたそうです。

第一大臼歯間距離が52ミリもあり、広すぎます。
それでもまだスペースは不足しており、前歯は突出して、患者さんは口が閉じにくいとのことでした。

パノラマでは、埋伏智歯が7番を圧迫しており、右上には8番だけでなくて過剰歯もあり、7番の遠心には骨はありません。

親不知のデンタルレントゲン所見です。
抜歯依頼した口腔外科では、7番は持たないと言われました。
この歯科医院では、8年もの間、こういったチェックは一切されていなかったということです。
この患者さんは、初診相談のあと、転院を希望され、ひろ矯正歯科で治療をすることとなりました。
検査、診断の結果、上下顎前突と診断、上顎両側4番、下顎両側5番を抜歯し、患者さんの希望により、舌側矯正で治療を開始しました。
埋伏している 8番は抜歯を依頼しました。

治療開始から 1年 4ヶ月で抜歯空隙は既に閉鎖し、細部の仕上げに入ります。

治療終了時の写真です。
動的治療期間は、1年 5か月です。
上顎前歯は 8㎜、下顎前歯は 4㎜後退し、口が閉じれないという主訴も改善されました。

治療終了時のパノラマです。
傾斜していた7番もアップライトされ、全ての歯の歯根が平行に排列されていることがおわかり頂けると思います。
歯が入り切らないから顎を拡げましょうと言われて、8年もの間、拡大を続けましたが、結局この患者さんは、抜歯しなければいけない結果となりましたので、8年間、全く無駄なことをやっていたことになります。
もう1症例紹介します。
8歳の時、I市の歯科医院で、顎が狭くて歯が入りきらない、顎を拡げなければいけないといわれ、治療を開始したそうですが、6年経っても治療が終わらないどころか、写真のように全く噛み合っていないために、14歳の時にセカンドオピニオンで ひろ矯正歯科に来られました。

臼歯関係は、右が 4㎜ II級。左が 7㎜ II級で、7番しか咬合しておらず、著しい開咬を呈していました。

これは、拡大を始める前の写真ですが、口腔内写真を見る限り、拡大する必要はないです。

8歳からリンガルアーチで拡大を開始し、3年間拡大を続け、12歳でマルチブラケットを付けて治療を開始したそうですが、開咬が治らないためにアンカースクリューを4本打って治療を続けたとのことです。

こんなスクリューじゃあ何の意味もありません。
まさにやっている事がデタラメです。

ひろ矯正歯科に来られた時には、口腔内清掃状態は悪く、全ての歯が齲蝕でボロボロ、要治療でした。
治療中はブラッシング指導は一切無かったそうです。
検査、診断の結果、この患者さんは矯正のみで治療することは不可能、上下顎骨の離断が必要で外科矯正となりました。
この患者さんも歯が入らないから、顎を拡げましょうと言われ拡大を続けましたが、治療前の状態をみると、判断を誤っていることがわかります。
この歯科医院、性懲りも無く、まだマウスピース矯正など、あくどい診療をしているようです。
では、パノラマレントゲンで永久歯の萌出余地が無さそうに見えたら、顎の拡大は必要なのでしょうか?
拡大しないで経過観察すると、どうなるのでしょうか。

この患者さん、パノラマで診ると永久歯の入るスペースが無いように見えますが、

1年後、永久歯はきちんと萌出しています。
まだ乳歯はありますが萌出するスペースは十分です。

この患者さんはどうでしょうか?
永久歯が入るスペースがないように見えます。

1年後です。

3年後、全ての永久歯はきちんと入りました。
何も治療はしていません。
もちろん、アゴを拡げたりしていません。
もう1症例、8才4ヶ月の患者さんです。

パノラマでは、永久歯が入るスペースが足りないように見えます。

4年後です。治療は何もしていません。

さらに2年後、全ての歯がちゃんと萌出しました。
パノラマレントゲンはその特性上、臼歯部が重なって映ります。
すべてに当てはまるわけではありませんが、乳歯列期や、混合歯列期のパノラマ写真を見て、永久歯が入りきらないから顎を拡げましょうというのは、判断が誤っており、その治療は無駄なだけでなく、とても危険なことだと言えます。
だからと言って、ひろ矯正歯科では、拡大を一切しないわけではありません。
混合歯列期の拡大床は有り得ませんが、本当に拡大が必要な患者さんには、永久歯列期に急速拡大装置を使います。
急速拡大装置は歯槽基底幅径や歯列弓幅径が狭い場合に使用します。
顎整形力を作用させるため、力は上顎骨全体に及び、正中口蓋縫合が広がり、その後骨が新生していきます。
実際に急速拡大装置を使用した症例を見ていただきます。

13歳女児。
上下の叢生と反対咬合を主訴に来院されました。
何処に行っても外科矯正と言われ、絶対に手術はしたくないと泣きついてきた患者さんです。
前歯も臼歯も、上顎歯列が下顎歯列とクロスしている、トータルクロスバイトですが、診断の結果、矯正のみで治せると診断しました。

最初に急速拡大装置を装着して上顎骨の拡大を開始。

目的のところまで拡大したあと、上顎にブラケットを付け、開始から9ヶ月後に急速拡大装置を除去、下顎にもブラケットを装着し、

無事、治療が終わりました。
急速拡大開始からマルチブラケットが外れるまでの動的治療期間は 3年です。
この患者さんは、現在、治療後10年経過していますが、今も良い状態を保っています。
永久歯列期の治療例は、実際にめぐみ先生が治療した症例を御覧下さい。
まずは、下顎前突です。

13歳の女の子、反対咬合と叢生を主訴に来院されました。

チンキャップで下顎の成長抑制を行いつつ、上顎両側5番、下顎両側4番を抜歯し、上下顎にブラケットを付け、

下顎前歯部をリトラクションし、反対咬合を改善し、ここから細かな調整に入ります。

治療が終わりました。
動的治療期間は 1年 9か月です。
次の症例は上顎前突です。

13歳の女の子、出っ歯を主訴に来院されました。

上顎両側 4番抜歯後、ヘットギアを装着し、上下顎にブラケットを装着しました。

上顎前歯のリトラクションが終わり、細かな調整に入ります。

2年 6か月で動的治療を終了しました。
次の症例は叢生です。

50歳の女性です。娘さんがうちで治療した数年後、自分も歯並びを治したいと希望され、治療を開始しました。

上下両側4番抜歯後、上下顎にブラケットを付け、

スペースクローズが終わり、細部の仕上げを行い、

治療期間 2年 7か月で動的治療を終了しました。
人前で笑えるようになりました、と、とても喜んで頂く事が出来ました。
次は過蓋咬合です。

15歳の男の子、叢生と過蓋咬合で下顎前歯が見えないことを主訴に来院されました。

上顎両側4番を抜歯後、上顎にブラケットを付け、レベリング後、上顎前歯部の圧下を開始。

上顎前歯部の圧下が完了し、下顎にブラケットを付け、

2年7ヶ月間の動的治療をもって治療を終了しました。
上顎前歯の圧下量 4.5㎜、後退量 7.0㎜、治療前に Overbiteが深かったので、後戻りを考慮して浅く仕上げてあります。
埋伏歯の症例、これは院長が治療した症例です。

25歳女性 上顎前歯部の叢生、上顎両側C残存を主訴に来院されました。
上顎両側 2番欠損、左上 3番が口蓋側に埋伏してます。

左上 3番の開窓後、リンガルアーチにて牽引開始。

上顎前歯部にブラケット装着。左上3番の牽引をしながら、前歯部の圧下を行っています。

上顎両側C抜歯後、側方歯にもブラケット装着、埋伏していた3番もだいぶ出てきました。
下顎にブラケットを装着し、左上3番のレベリングを行っています。

治療後です。
動的治療期間は、3年 5か月と、長期間かかりましたが、患者さんにはたいへん喜んで頂く事が出来ました。
矯正治療を行う上で、一番大切なことは、詳しい検査と正しい診断です。
コロナなのか、インフルエンザなのか、正しい診断が必要なのと同じです。
拡大の症例でお見せしたように、診断が間違っていれば、治療をしても治りません。
そして、必要な時期に必要な治療をする。
タイミングが間違っていれば、治療期間は延長し、良好な治療結果も得られません。
ひろ矯正歯科では、治療開始はまだ早いと判断した場合には、手を付けずに定期的にチェックを行い、いちばん良いタイミングで治療を開始しています。
治療しようかどうしようか迷っている患者さんに対し、強引に治療を勧める事はありません。
患者さんの理解を得て、患者さんに喜んで頂けるよう、精一杯頑張っております。
以上、めぐみ先生の講演内容を御紹介させて頂きました。