menu
MENU

院長日誌

  • Angle Midwest meeting in Tucson

    E. H. Angle Societyの Midwest Annual Meetingが Tucson AZで行われましたので参加、Long term stabilityについて講演しました。

    そうです、 2024年12月の長期安定矯正研究会で講演した

    あと、酒の席でさんざん私の悪口を言いまくった上に、あろうことか、SNSで「長期安定と長期保定は違う」と騒ぎ立てたアフォ(こうゆう言葉は使いたくないのですが、還暦も過ぎて2つも医院を経営している者が全体公開のSNSで、誰のことを指しているのか容易に特定が可能な状態で悪口を書くというのは、幼稚なアホだと思います)がいましたので、Angle Societyで同じプレゼンをしたら、世界の一流の先生達はどう反応するのかを見るのが目的です。

     

    さらに、下顎犬歯間幅径を拡大してはいけないという、矯正学の大原則として教えられて、今も世界中の矯正医が信じていることが、じつは間違っているということ、そして下顎埋伏智歯の抜歯をしなくても下顎前歯の叢生の後戻りには影響が無いということ、後戻りを防ぐには臼歯をどのように排列すれば良いのか等々について、私の考えを矯正大国アメリカの Angle meetingで発表し、Angleの先生達はどう考えるのかを見ることが目的です。

    アメリカでも「長期安定と長期保定は違う」という意見が出れば、私の負け、私のプレゼンを賞賛して貰えれば、上記のアフォの負け、ということになります。

     

    今回の私の発表は、Scientific researchでもなければ、Case presentationでもありませんので、文献的考察もなければ、症例の分析値や診断結果、術前術後のセファロの重ね合わせもありませんので、予めそのことは Discusserに連絡した上で発表しました。

     

     

    Angle学会では、演者のプレゼンのあと、Discusserがその演者の口演内容について、コレはこうだ、アレは違うと、事前に Discusserに送った PPTの内容について詳しく調査検証した結果を報告するのです。

    入会した時には、なんという恐ろしい学会だ、と思いましたが、いい加減な発表は許されない、ということです。

    今回の私の Discusserは、Dr. Toru Deguchi、恩師の出口敏雄先生のご長男で、Univ. of Louisvilleの現役の Professorです。

     

    Prof. Deguchiからは、まず、私のプレゼンに対して、舌側矯正でここまでキチンと治していることに驚嘆と賞賛のお言葉を頂き、そして、20年以上もの長期に及ぶフォローアップを続けていることについて、それほど長期間のフォローアップを一体どうやって行っているのか、アメリカでは考えられない(お金にならないから)とのお言葉を頂きました。

    これはアメリカだけでなく日本でも同じで、ひろ矯正歯科では、保定の患者さんが来院する毎に観察料として 2~3,000円頂いていますが、医院側のコストは概ね 30,000円ほどかかりますので、長期保定を行うということは大赤字なのです。

    それでも私は一生懸命治療に通ってくれた患者さんのためにボランティアで長期保定を続けていますので、医院経営の観点からすると、あり得ない話です。

     

    長期保定に関しては、ひろ矯正歯科では、初診時、診断時、リテーナーセット時、治療終了時、治療終了から2年半経過時、3年経過時、と、最低でも6回は説明をしていますが、それでも、患者さんの中には「いつまでリテーナーを付けておかないといけないのか」とか、「いつになったら外してくれるのか」と言う人がいます。

    そういった人に対してまでボランティアを続ける必要は無いと思いますので、そのような患者さんは、即リテーナーを除去して経過観察も打ち切りとしています。

    外したいという患者さんの中には、一般歯科で、外さないと虫歯になる、歯周病になる等々言われ、それを信じて外してくれと言う人もいますが、リテーナーが付いた状態でフロスや歯間ブラシを使う事が出来ますので、お教えしたとおりにキチンと手入れをして頂ければ、虫歯や歯周病の心配はありません。

    虫歯になるという歯医者は、何年もリテーナーが入っている状態でキチンとメンテナンスされているということがわからないのでしょうか。

     

    話を学会でのプレゼンに戻しますと、Discusserの Prof. Deguchiからは Technical questionとして、

    1. Buccal crown torqueはどうやってコントロールしているのか、V-bendsかRCOSか?
    2. Wireの種類とWire sequenceは?
    3. 他にExpanderやHGやTADsやTPAは使っていないのか?
    4. 前歯のRetractionはどうやって行っているのか、loopsなのかslidingなのか?
    5. どうやって Biteをsettle (detailing)しているのか、Up-down elastics?
    6. Transverseはどうやってmaintainしているのか?
    7. Arch coordinationはどのように行っているのか?
    8. それぞれの症例のsuperimpositionsを見たい
    9. Molar intrusion/extrusionなのかincisor intrusion/extrusionなのか
    10. Bite plane effectは?
    11. Retractionの際の上顎前歯のtorque controlはどうやって行っているのか?
    12. Anchorage value はCortical bone anchorage?
    13. Retention中の一般的な変化は?
    14. Lingual bracketsのタイプの違いによる効果は?
    15. Retention protocolsは異なるのか?
    16. Soft tissue の変化は?

    などの質問がありました。

    1~6,8,9,11,16は今回のプレゼンの目的から外れますので説明しませんでしたが、今後の大会で Case presentationを行い、そこで説明する予定です。

    7は Lingualでは Arch Wire Coordinationは無意味であるということは既に過去の大会で発表済み(その時は確か Deguchi先生はK先生と帰られて会場に居なかったように記憶しています)、10は使いませんし使ったらダメです、12はプレゼンで説明したとおり Cortical bone anchorageではありません、13は Horizontal, Verticalなrelapseが見られる症例があります、14は私はオリジナルの mienai bracketsを使用しており、この bracket以外では良好な治療結果が得られません。CAD/CAMの装置や他社のリンガルブラケット、特に self ligationは使いません。これは過去に使って2度と使いたくないとウンザリしたのが理由です、15は全て画一的ですが、deep bite症例に対しては bite plate付きの Circumferential typeを夜間のみ使用することがあります。

     

    そして、

    1. Normal OJ & Ob の症例に関しては、非常に良く安定している
    2. 僅かに上顎前歯がflareし、overbiteが増加しているように思われた
    3. Deep overbite caseでは、前歯のflaring, A-Pの変化とOBの増加が見られた
    4. 開咬症例では、非常によく安定している

    という評価を頂きました。

    1,4は私もそう思います、2,3は実際にはそうではありません。

     

    Conclusionでは、

    1. Lingual applianceによる治療の長期経過では、以下の3つの傾向が見られた
    • Flaring of maxillary incisors
    • Mesial drift of maxillary canine
    • Increase of overbite
    1. Cases with normal A-P (overjet and overbite) and open bite cases seems to be stable in lingual cases in the long term
    2. Deep bite and Class II (increased overjet) cases tends to relapse in lingual cases in the long term

    とのことでした。

    1-①、②は、そうではありません、③はそうゆう症例もあります、2はそのとおり、3はそうゆう症例もありますが、長期にわたって戻らずに安定している症例もあります(Labialなので今回は提示しませんでした)

     

    私の Summaryに対する見解は、

    • 過蓋咬合を浅く仕上げる:過蓋咬合の良好な治療結果は fixed retainersと removable upper plateの使用によって deep biteの再発は最小限に維持される
    • 開咬症例を深く終了する: 文献的には10年間の follow upで30%が開咬を再発している。Lingual applianceは舌位を改善し、安定させる傾向がある
    • 捻転歯の Over correction、Septotomy に関する Evidenceは乏しい
    • 水平埋伏智歯に関しては前歯部の叢生とは関係無いという研究論文もあるが、影響ありという報告もある
    • Lingual は labialよりも安定しているかという点に関する文献はみつからなかったが、2年、5年、10年という期間での異なった種類の不正咬合に関する定量的観察は見られた

    とのことでした。

     

    そのあと、会場の 2名の先生から質問がありました。

    1人目、Michiganの Dr. Oppenhuizenは、私が Deep bite case の retentionに関しては、Clear retainerは臼歯部の離開を招き、Deep biteがrelapseする原因になるので使うべきでは無い、Circumferential typeの Retainerに Bite planeをつけて Fixedの上から就寝時のみ装着すると良いと言ったのに対し、彼は Clear retainerの7番部分のみを Cutして装着すると7が挺出してきて Deep biteのrelapseを予防できる、という意見でしたが、私はこの方法には賛成できません。なぜなら、clear retainerは咬合調整されておらず、咬合接触が不均一なので、咬合が狂ってくることがわかっているからです。さらに Deepbiteの治療は臼歯を Extrusionさせるのでは無く、前歯を Intrusionさせなければならず、それは保定に関しても同じだと考えるからです。

     

    2人目は Wisconsinの Dr. Liu、私の医院の患者の年齢層に関する質問で、ひろ矯正歯科の患者さんの 50%は成人で、60台後半の方もおみえになるとお答えしました。彼のもう一つの質問は、日本の LTSOA研究会の詳細を教えてくれとのことでしたので、会場にいたLTSOA Presidentの Suda先生に振りました。Suda先生は、LTSOAの目的は、機械的保定に頼らずに、舌圧と口唇/頬圧で歯の安定を期待するという回答でした。

    私の意見は、繰り返しになりますが、治療後の stabilityとは、前歯の叢生の後戻りだけではありません。

    • 2級/3級治療においては、2級/3級に戻らずに安定していること
    • 開咬治療では開咬が再発せずに Biteが安定していること
    • Deep bite症例では、Biteが深くならずに安定していること

    などなどが維持されていて、初めて安定と言えるのだと私は考えます。

    Crowdingの relapseだけならば、daidzeinに関する研究が行われていますので、その研究を進めるべきではないでしょうか。

     

    これらの公開質問のあとも、会場では数名の先生から個人的に質問を受けましたが、あの SNSに書き込んだアフォと同じレベルの先生はいなかったです。

    SNSでは「见贤思齐焉」と評してくれた先生もいました。

    South Carolinaの Dr. Zhouです。これは、孔子の『論語』に由来する言葉で、「優れた人物に出会ったら、自分もそのようになりたいと努力・見習うこと」を意味するそうです。

    良かれ悪かれ、SNSで書かれるのはあまり好きではありませんが、結論として、Discussorの Prof. Deguchiからも、会場にいた先生達からも、誰一人として「長期安定と長期保定は違う」という意見は出ませんでしたし、アフォに「いいね」するアフォも居ませんでした。

     

    Univ. Paris Vの Professor、Dr. Guillaume LECOCQ, 僕が Sponsor となって Midwestに Applyされました。

     

    今から36年前、C.H.Tweed courseを受講した時と、

     

    今の私です。

     

    アメリカに着いたら必ずホテルのバーでハンバーガーを食べます。

    何処のホテルでも、ファストフードのハンバーガーとは全く違って、凄く美味しいです。

     

    ホテルにはゴルフコースが併設されており、プレーしている先生もたくさんいました。

    僕もラウンドしたかったなあ、、。

     

    Tucsonと言えば、サボテンです。

     

     

     

    滞在中、恩師の出口敏雄先生の弔報を受け取りました。

    これについては、長くなるので別のブログで書きたいと思います。

     

    次回の Midwest meetingは、2027年1月29日~2月3日、Puerto Ricoで行われますが、、、Puerto Ricoまでは行けないなあ、、アメリカは広いのにわざわざそんなところでやらなくても良いと思うんですが、、。

     

     

     

to top