menu
MENU

院長日誌

  • 矯正装置とMRI

    「矯正装置が入っているとMRIが撮れないから、矯正装置を外してくるように」と言われて、MRIを撮影して貰えず、患者さんが困っています。

     

    放射線科の医師・技師さんが矯正装置を外せと言う理由は2つ、

    1. 金属にMRIが当たると発熱して火傷する
    2. アーチファクトで画像診断が出来ない

    です。

    私からのコメントは、

    1. 火傷の心配はありません
    2. アーチファクトに関しては、撮影部位が頭部や顎関節であっても、撮影条件を工夫して頂ければ矯正装置が入っていても問題のないMRI画像を得ることが可能です

     

    まれに、腹部や足のMRIを撮影するのに、お口の中の矯正装置を外してこいという医師・技師さんがいますが、これは全くの不勉強で、通常どおり撮影して頂いて全然問題ありません。

     

    たかが歯医者が、何を生意気な、と思われるでしょうが、考えてみて下さい。

    矯正治療に使われる金属の殆どは、コバルト、クロム、ニッケルを主体とする合金で、ものによっては、チタン、モリブデン等が含まれています。

    「ほれみろ、コバルト、クロム、入ってるじゃないか、アーチファクトの原因物質じゃないか!」と言われるでしょうが、考えてみて下さい。

    動脈瘤の治療に使用されている クリップや ステントにもコバルトクロムが入っています。

    脳内にクリップやステントが入っていても MRIは普通に撮影されているのに、矯正装置やインプラントはダメだというのは、おかしいと思いませんか?

    金属製の修復物やインプラントなど、取り外せないものが入っている患者さんはどうするのかと聞くと、技師さんは「材質が違う」と言いますが、銀歯やインプラントもアーチファクトを起こしています。

     

    先生、技師さん、僭越ですが、矯正装置が入っている患者さんの頭部や顎関節などを撮影する際には、アーチファクトを減らすために以下をお試しください。

    1. 最低条件として1.5テスラで撮影する。3テスラでは撮れないと思います。但し最近は1.5テスラマシンが多く、それで撮れないという場合は、以下を調整してください。
    2. BW値を上げる
    3. ピクセルまたはボクセルサイズを小さくする
    4. 脂肪抑制を併用しない
    5. シムボリュームを頭部全体ではなく影響のない場所に置き調整を行う

    です。

    大体は 5のシムボリュームを調整して頂ければ、2〜4はいじらなくても撮れることが多いようです。

    これらの条件を工夫することで、ひろ矯正歯科の患者さんは、小児から成人まで、矯正装置が入った状態で、海馬、顎関節、上顎洞なども問題なく画像診断が可能となっています。

     

    じつは、「入れ歯や矯正装置が入っているとMRIが撮れない」というのは、昔から殆どの病院で言われており、MRIを撮る際に、矯正装置を外して来るように言われて、全ての患者さんが撮影して貰えませんでした。

    松本市の相澤病院では、何の連絡も無しに舌側矯正の装置を勝手に外されてしまった例もあり、連携室からは、「矯正装置が入っているからアーチファクトで撮れないから外した、2回も撮ったから赤字だ」と、逆に文句を言われたこともありました。

    矯正装置を外さないとMRIが撮れないと言われると、困るのは患者さんですので、私はその都度、放射線科の医師・技師さんとお話しさせて頂き、撮影条件についてお話しする、ということを10年間続けて来た結果、今では長野県内の殆どの病院で問題なくMRIを撮影して頂いています。

     

    しかしながら、松本市の国立病院機構松本医療センターでは、いまだに矯正装置を外せと言って来ます。

    私は病院に出向き、医師、技師さんと直接話をさせて頂きましたが、「たかが歯医者に何がわかる」と、鼻で吹かれ、私の話を全く聞こうとせず、結局その患者さんは矯正治療途中であったにもかかわらず、矯正装置を一旦除去させられました。

    ところが外したのは、非金属製ブラケットの前歯部のみで、臼歯部のステンレスのブラケットはそのまま付いたままで良いというのです。

    言われたとおり、前歯部のみ外したら「撮れました」とのことでしたが、そんな馬鹿な、笑い話にもなりません。

     

to top