2026年 6月 28日、第 41回 甲北信越矯正歯科学会学術大会が松本歯科大学にて開催されました。

本大会では、日本矯正歯科学会 認定医委員会委員長の玉置幸雄先生から認定医・指導医に関する御講演を賜り、御講演のあと質疑の機会がありましたので、挙手、2つお願いをさせて頂きました。
一点目は、認定医提出症例の難易度に関する件です。
私は 10年以上前から日本矯正歯科学会大会において、DIを導入してください、とお願いしてきていますが、いまだに DIが導入されておらず、本会・支部会等の認定医講習会では、その都度「あまりにも簡単な症例は減点対象となることがあります」という注意点が委員会より伝えられておりますが、これは受験者にとっては混乱を招く上に、試験の公平さを欠く要因になる点ですので、症例難易度の明確な数値化が必要だと考えます。
ABOや EBO、Angle societyや ESLO titularなど、海外の board試験では DIは当たり前のことですので、早急に導入を検討して頂けないでしょうか」と、あらためて提案、お願いをさせて頂きました。

もう一点は、日本の矯正歯科の将来に影響を及ぼす、矯正歯科医の人生をも左右する大変重要なことで、なんとしても御検討をお願いしたいことです。
それは、日本矯正歯科学会の認定医を取りたくても、家庭の事情や諸々の事情で認定医を申請出来ない先生が相当数いるということで、これは特に女性ドクターに多く、結婚、出産、育児などの事情で研修施設に所定の期間在籍することが出来なかったために、長年矯正歯科だけを専門に行っていて、知識も経験も実力も十分にあるにもかかわらず、認定医試験を受験をする機会さえ与えられていなということです。

私の知る限り、認定医制度が発足して以来 36年間で、1度だけバイパス制度による試験が行われましたが、それ以来 1度も行われていません。
私のよく知っている某先生は、今後も矯正専門医として生きてゆきたいので、認定医を取るために研究生として 2年間在籍させて欲しいと、母校の矯正歯科の教授にお伺いをたてたところ、教授からは「それは無いでしょう」と一笑されて、相談にのってさえも貰えませんでした。
研究生や専修生は大学にお金を支払って勉強に行くわけですので、大学側から断る理由も見あたらない筈ですし(出口先生の頃はそうでした)、専修生には研究歴がつきませんが、研究生は国の認める研究歴が残りますので、何故「それは無いでしょう」なのか理解に苦しみます。
日本矯正歯科学会が基礎研修施設 2年、臨床研修施設で 3年の研修歴を定めているにもかかわらず、大学が受け入れを拒否していては、臨床研修施設の設定そのものが 意味の無い物になります。
基礎研修 2年という要件が 大学が歯科医師を確保するための手段になっていてはならない筈です。
さらに、研修到達目標はあっても、カリキュラム詳細までは日本矯正歯科学会学会が明確に定めていないために、研修期間が大学によって 2年の大学もあれば、3年の大学もあるというのも納得の出来ない話です。
海外では、過去 5年間矯正歯科に専従していたということを証明し、誓約書を提出すれば専門医の資格に apply出来る学会が多いということを考えても、日本矯正歯科学会は Global standardに合わせて頂けることを強く希望します。
もちろん、簡単に認定医を与えろと言っているわけではありませんし、誰にでも認定医を与えろなどとは思ってもおりませんので、試験内容は、筆記試験、口頭試問、面接、臨床試験は症例審査と口頭試問等が厳格に行われることが前提ですし、試験の公平性、透明性も絶対条件です。
日本で最も難しい試験の代表である司法試験でも、「予備試験制度」が設けられており、法科大学院を卒業していない人にも司法試験に挑戦出来る機会が与えられています。
自動車の免許も、「一発試験」が設けられており、教習所や合宿に行けない人にも運転免許取得の機会が与えられています。
日本矯正歯科学会も研修履歴が取れない先生にも認定医や専門医資格に挑戦できるチャンスを拡げてゆくことで、粗悪な矯正治療によるトラブルを撲滅し、日本の矯正歯科レベルの向上に繋がり、国民の歯の健康を守り、日本矯正歯科学会学会の発展に繋がると思います。
是非、検討して頂けることを希望します。