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院長日誌

学会・セミナー

  • 日本矯正歯科学会専門医

    第69回日本矯正歯科学会大会が 9月27日~29日、パシフィコ横浜で行われました。
    今回の日矯学会では、専門医の更新のための症例展示を 3症例 舌側矯正で提出し、3症例全て合格しましたのでお知らせします。



    会場の パシフィコ横浜・会議センター


    日本矯正歯科学会の専門医制度というのは、2006年に発足し、私は札幌での初回の専門医試験で合格したことは、過去の院長日誌に書きました。
    この専門医のライセンスの有効期限は 5年間ですので、来年 2011年の 11月に更新を迎えます。

    この日矯専門医というのは、極めて厳格な試験で、全て完全匿名で行われるため、「知り合いだから合格にする」とか、「有名な先生だから合格にする」といった不正が一切まかり通らないようになっており、過去には有名な歯科大学の矯正歯科の教授でさえ落っこちているという、なんとも恐ろしい試験です。

    第一回の専門医試験で合格した者は、2011年に更新時期を迎えますが、この更新のためには、2006年以降に治療を終了し、2年以上の保定を行った新しい 3症例の治療記録を日矯学会等に提出し、合格証明を 3枚貰わなければなりません。
    毎日、診療に、学会準備に、講演活動にと追われている私は、そんなこととはつゆ知らず、来年の更新時期が来たら書類を提出して終わりだと思っていました。。。(世の中そんなに甘くはない、、)

    ちょうど半年くらい前でしょうか、たまたま仲の良い先生と話をしていて、「廣先生は、もうパス貰ったんでしょ?」というので、「何ですか、それは?」という事になって 資料提出の事を知り、「ひえ〜、今まで4年間、なんもしてねえじゃ〜ん! 今年の日矯学会でダメだったら、来年リーチ1発ってこと? それはチョ〜キビシイ!」と、目が点になりました。

    その後、どうせ更新するなら、やはり全部リンガルの症例で出そうと決め、何千とあるカルテの中から 6症例を選びました。
    日矯学会に提出するには、患者さんの同意書が必要ですので、これらの6名の方々は、リコールでお見えになった際にお願いして快諾してくださった方が5名、残りの1名の方には電話で事情を説明して、わざわざ資料採得のために出向いて頂きました。

    これら 6症例(内訳:Angle I 級叢生抜歯症例1例、II 級1類抜歯症例1例、II 級1類非抜歯症例1例、II 級2類抜歯症例1例、II 級2類非抜歯症例1例、III 級非抜歯症例1例)の中から、最終的に3症例をセレクトし、学会の約 3週間前に 提出資料作成着手と あいなりました。

    ところが、、、
    いつもどおり、毎日朝から晩まで診療に追われ、夜はクタクタ、準備しようにも、時間も集中力もありません。
    で、ロンドンの時と同じように、毎朝5時に起きて準備。
    さらに、日曜、月曜の休診日には、朝から夜遅くまで診療室に缶詰で資料作成にあたります。

    日矯まであと1週間という時に、大事件が、、。
    第2症例が、、、保定期間が1週間足りないことに気が付いたのです。
    必死で作成した資料が全て無駄になりますが、自分の不注意ですので、仕方がない。
    でも、気がついて良かった、、気付かずに出していたら、アウトですから。
    大あわてで、他の症例に差し替えです。
    レントゲンや顎模型のデュプリケートを大急ぎで注文し、トレースも原稿も全部やり直し。

    そんなことをしているうちに、専門医試験前日の 9月 25日になってしまいました。
    松本を出る時には、まだ資料が完成していないため、段ボール箱一杯の事務用品とシャーカステンを車に積み込み、ホテルで徹夜で仕上げるつもりで松本を後にしました。
    ホテル到着後は、どこにも行かず、晩御飯も部屋で済ませ、悪戦苦闘。
    幸い、26日の明け方には なんとか仕上がりました。

    目をこすりながら朝食を済ませ、学会の専門医更新会場に向かい、受験票を受け取り、規定に従って症例を展示します。
    展示を終えたら Candidateは退室しなければなりませんので、ホテルに帰って休むことに。
    エレベーターに乗ると、年配の外人御夫婦が僕のネームタグを見て、「JOS?」と声を掛けてくれました。
    「Yes, sir, I have just put my cases,,,」と二言三言、話をすると、なんと、そのお方達は、矯正界の神様、トーマス・マリガン先生御夫妻だというのです!  (私は、治療以外は全く興味がないので、有名な先生の顔など知らないのです。)
    「ほ、本当ですか?! お会いできて感激です!!」と握手し、「僕は先生の本、Common sense mechanicsを持っていますよ!」というと、ニッコリ笑って、「Oh, you poor guy!」と仰って、エレベーターの中で全員大爆笑。



    お昼御飯は、中華街にひとっ走りし、フカヒレが安くて美味しい「東華楼」に。
    しかし、数年前に食べたのと味が違う、麺が違う、、、あ〜残念。


    翌日、火曜日は日韓ジョイントミーティングの シンポジウムに出席。
    Sang-Cheol Kim先生の 「Functional Diagnosis for Class II malocclusion」、伊藤和明先生の 「成長期のClass II症例に用いるファンクショナルアプライアンスについて 〜BJAの臨床的効果〜」、Byoung-Ho Kim先生の 「Surgical strategies in skeletal class II malocclusion」は、特に興味ある講演でした。
    伊藤先生の講演は、上顎の成長抑制をすべきだと思われる症例も BJA単味で治療をされていたので、大ホールではありましたが、挙手、質問させて頂きました。
    というのは、私は下顎劣成長を伴うII級症例には、Activator Headgearを使用して上顎の成長抑制と下顎の成長促進による 極めて良好な結果を得ており、特に II級症例というのは Gummyであることが多いので、Orthopedic forceを使うべきだと考えるからです。
    私の質問に対する伊藤先生の回答では、High pull/Occipital pull HeadgearのCenter of Resistanceについて、すこし勘違いをされているようで、それが Maxillary growth controlを行わず、BJAで治療を行われている理由であろうと解釈しました。

    29日の水曜日、朝食を済ませ、専門医の審査会場に急ぎます。
    ドキドキ、ハラハラ、、、落ちたらどうしよう、、鼓動が高鳴ります。
    予定時間を過ぎても、ドアは閉ざされたまま、、。
    暫くすると、ドアが開放され、中に入ります。

    結果は、、、良かった、3症例とも合格だ!
    ハンカチで額をぬぐい、ふ〜〜っと、深呼吸、、。
    いろんな先生が私の顔をみるなり寄ってきて、「廣先生が落ちるわけないや〜ん!」と言ってくれましたが、僕は自分のことを下手だと思っているので、本当に冷汗ものでした。



    (会場内は写真撮影禁止なので、看板をバックに、事務局の方に撮って頂きました。)


    資料提出に際し、イヤな顔一つせず快諾してくださった患者さんの皆様、本当に有り難うございました。
    矯正医の中には、患者さんがサインしてくれないので受験出来ない、という先生がたくさんいるようですが、その点、私は患者さんのみなさんが理解・協力してくださり、本当に幸せだなと思います。

    先日、患者さんがお見えになった際にも、資料提出に御協力頂いたことに再度御礼を述べ、合格した旨を伝えると、自分の事のように喜んでくださり、本当に嬉しい限りです。
    これだから、一層治療に気合いが入ります。

    私は今まで、自分の治療について第三者評価を得るのを目的として、いろんな試験にトライしています。
    決して高名心で、いろんな試験にリンガルの症例で臨んでいるわけではありません。
    巷では、英会話教室の校長先生が、受ける必要のない英検試験をわざわざ受けて落っこちた、みたいな話も聞きますが、私は今のところ百発百中ですので、「ひろ矯正歯科に行けば、日本/世界で Certifyされた舌側矯正治療が受けれる」という事を証明できていると思います。

    専門医症例展示会場を後にした私は、大ホールに急ぎます。
    Mulligan先生の “Who does your thinking? You or your appliance?”は、最前列でしっかりと拝聴させて頂きました。
    僕も、いつかこんな先生になりたい、、。



    (講演中の写真撮影は禁止です。 これは、講演が終わった直後、内緒で一枚撮りました。 すみません。)


    その他、学術展示では、歯根吸収—破骨細胞に関する演題、relapseに関する演題、フッ化物が歯牙移動に及ぼす影響、ライゲーション〜フリクションに関する演題等々、面白い演題がたくさんあり、たいへん為になる日矯学会でした。

    来年は、11月18-20日、名古屋国際会議場で開催されます。

    追記:
    日矯専門医に関しては、「日本矯正歯科専門医名鑑制作委員会」なるものが製作している 有害サイト が存在します。 このサイトは日本矯正歯科学会とは無関係であるのに、あたかも学会が立ち上げているかのような 紛らわしい記述で書かれており、日本矯正歯科学会でも問題となっているサイトですので、ご注意下さい。

  • 第9回 ESLO開催さる

    2010年7月7日〜11日、ロンドンにて舌側矯正専門の学会、 第9回 European Society of Lingual Orthodontics Meetingが開催されました。
    本学会から Key note Speakerとして最終日の Closing lectureを依頼されましたので、僭越ではございますが講演をさせて頂きました。
     
    また、ロンドンでは、第一回 World Board of Lingual Orthodonticsの試験が開催されました。
    私は、2005年にヨーロッパで最も権威のある矯正専門医試験、European Board of Orthodonticsを、Category 1の Growing caseも含めて全て舌側矯正で受験して合格しているため、2008年の Cannesでの ESLO meetingで、世界第1号の WBLO Trophyを ESLOの学会から公式に頂いています。
    ですから、今回の受験に際しては、「廣先生はもう貰ってるんだから、受ける必要ないじゃん、なんで受けるの?」と、国内外のたくさんの先生から言われ、ESLOの Presidentの Germain Becker先生も「Toshiは受けなくて良い」と言ってくれ、僕自身も全く同感でありました。
    今まで ESLOを world wideにしろと要求してきた人達が、今まで本気でそう願っていたなら、何故に、ESLOが Non Europeanである日本人に第1号を授与してくれた事を祝福しないのか、何故に「廣君は もう貰っているのだから、受けなくて良い」ではなくて、「もう一回受けろ」になるのでしょうか。
    さらに、EBOの categoryを、誰がどうゆう理由で modifyしたのか、何故に Category 7の Surgical treatmentが mandatoryなのかも、全く理解に苦しみます。
     
    納得いかないながらも、もし受けなかったら、「廣は受けなかった」ではなく、「廣は受けれなかった」と言われるでしょうから、意地で受けてやりました。
    試験の準備も、学会発表の準備も診療も、みんな誰かがやってくれて、自分は書類を出すだけ、原稿を読むだけ、、、だったら良いのですが、私にはそんなアソシエイトもいないので、診療も、学会の準備も、試験の準備も、全部自分でやらなければなりません。
    毎日朝から晩まで診療に追われ、診療後は疲れてクタクタ、夜はとてもそんなスタミナが無く、精神的にも体力的にも限界を超えていました。
    込み上げてくる怒りを抑えつつ、ここ半年間は毎日23時就寝、5時起床で、早朝に仕事をするという生活でなんとか準備を終えました。
    それでも、Closing lectureの Power pointを作り終えたのは、発表当日の2時間前(!)という、ギリギリでしたが。
     
    試験は、アジアから4人、ヨーロッパから4人、合計8名が受験しました。
    結果は、、、8名中、合格者は5名。
    私も合格しました。
    しかし、スッキリしません。
    問題山積のままです。

    これについては、またの機会に述べさせて頂きたいと思います。
     

    7月6日(火)
    ESLO Congressは、7月8日の木曜日から10日の日曜日まで、EBOなどの試験は通常、Congressの前に行われますので、普通に考えると、試験は7月6日、7日となります。
    試験の applicationを送った後、飛行機の予約をしなければならないので、日程を教えてくれと、何度も Dr.Scuzzoにメールしましたが、返事は梨の礫。
    飛行機が取れなくなっては一大事なので、学会の2日前に試験が行われると想定して月曜日の夜、ロンドンに入る航空券を購入しました。
    しかし、その後で貰った連絡では、試験は9日の金曜日、結果発表は10日の土曜日(学会と重なっている!)、とのことで、結局、6、7日は、まるっきり予定があいてしまいました。
    フライトを変更しようと思いましたが、ホテルの変更がきかなかったので、そのままの予定で日本を発ちました。
     
    成田からロンドンまでの機内では、一睡もせずにプレゼンの準備をしていたため、ホテル到着後、爆睡。
    夜中に目覚めては、また準備をして、また寝ての繰り返し。
    かなり疲れましたので、火曜日はホテルの近くを少しだけ散策し、昼食もホテルの近所で済ませ、また準備。
    その後は、ダブルデッカーの市内巡回バスに乗ってみました。


    Fish and Chipsと、Guinessです。
     

    トラファルガー広場の前には、ダブルデッカーがたくさん。

    乗って市内を少し回ってみましたが、、、うたた寝してしまいました。
    (バスの中などで寝るとスリに遭いますので、皆さんは気をつけてください。)
     

    7月7日(水)
    学会の準備もだいぶ進みましたので、この日は Oxfordまで半日観光に出掛けました。
    目的は、Harry Potterの舞台となった Ball roomに行くことです。
     
    Oxfordには、38もの Collegeと、6つのホールがあり、これらを総称して、Oxford Universityと言います。
    Oxfordは小さな町ですが、静かでとても良い町です。
    市の真ん中に、Christ Churchというのがあり、ここの Hallは、Harry Potterに使われています。
     

    これがあの Harry Potter で、みんなが食事をしたりする、あの大部屋です。
     


    ここは Harry達が ほうきに乗る練習をした、あの校庭です。
    Oxfordの市内を散策して、昼食はサンドイッチを買って食べ、バスでロンドンに戻って、9と3/4番線プラットフォームに行きました。
     

     
    その後、ホテルに帰ってまた準備です。
     

    7月8日(木)
    親友の Fernandoに電話をして、朝から学会に出掛けます。
     

    ここが会場の Queen Elizabeth II Conference Centerです。
    宿泊先の The Trafalgarから St. James’s Park 沿いに歩いて8分です。
     
    学会終了後、Dinnerは、ホテルの近所の Garfunkelというファミレスで、手羽先とビールで済ませ、夜はまた学会の準備です。
     

    7月9日(金)
    今日は、WBLOの試験の日です。
    重い重いトランクを引きずりながら会場まで行き、毎朝5時起きして仕上げたファイルを並べます。
    その後、試験官がやってきて、evaluationを開始しましたので、私たちは学会場に行き、講演を聞きます。

     
    その夜、Fernandoや Spainの友達と食事に行く予定でしたが、Examiner達と一緒に Dinnerに招かれました。
    「何故に僕も?」と聞くと、EBOを持っているからだとのこと。
    あまり気が進まないのですが、招待されて断るわけにもいかないので、御一緒させて頂きました。
    食事をしながら審査の結果について説明する Examinerの2人。
    何か意見は、とのことでしたので、自分の考えを率直に述べました。
    まず、今回の試験の結果は、明日の General assembly ではっきりと点数を告げて合否を発表し、Openにしなければならない、ということ。
    そして、今後の Board試験を行うにあたっては、examinerは WSLOにも ESLOにも属していない先生が務めるべきであるということ、等々。
     
    残念ながら、私の意見は全て却下され、余計な事を言うなといった感じでした。
    おかしい物をおかしい、ダメなものをダメと言って通らない、これがおかしい。
    こんなの 辞めてしまおうかな。
     
     
    Candidateの資料は学会内のガラスケースに展示されました。
     

    7月10日(土)
    朝から WBLOの集まり(EBO Lunchでなくて、WBLO Breakfast?)のため、Park Plaza Hotelに向かいます。
    Examinerから試験結果の発表や、次回直すべき点が説明されますが、不合格となった Candidateの中には、冷静さを失い、怒って帰る先生もいました。
     
    そのあと、学会場に戻り、講演の合間にたくさんの友達とお話をします。
    驚いたことに、Paris VのAlain Decker教授の御子息である Lionel Deckerさんが、ComiroというLaboratoryを立ち上げたそうです。
     
    Lionelさんとは初対面でしたが、お父さん同様、とても Friendlyで いい人でした。
    (Comiroとは、フランス語で「Hiroのような」という意味だそうです。そんな名前を付けて頂いて光栄です。)
     
    その夜は恒例、Gala Dinnerです。
     


    私は、Fernandoと同じテーブルを予約しました。

    同じテーブルに座っている人は、私と Fernando以外は全てドイツ人。
    World Cupでドイツはスペインに負けたので、Fernandoがスペイン人だと知ると、「おめえなんか、あっち行け!」と(勿論冗談です)、楽しいひとときでした。
    Dinnerも途中で、私はホテルに帰りました。
    まだプレゼンが完成していないので、、。
     

    7月11日(日)
    学会最終日です。
    私の出番、Closing Lectureの講演時間は、朝9時からですので、5時に起きて最後の準備をして、朝食を済ませて出掛けます。
    この日は、ロンドン市内はマラソンがあり、タクシー、バスなど、すべて止まっています。
    会場近くのホテルで良かった、、。
    歩いて行けない距離だったら、たいへんな事になるところでした。
     

     
    こうゆう事情なので、会場には人はまばらだろうなと思いましたが、、ところがどっこい、昨日の昼間よりたくさんの人が。
    本当に有り難いことです。
     


    講演も無事終わり、会場を後にします。

    会場前で涼んでいると、たくさんの人が話しかけてくれました。
     

    この美人の先生達は、現在 Paris Vでリンガルの勉強中だとのことです。
    この日本人の先生は、英語もフランス語も流暢で、英語もカタコトの私は、ただただ感心しました。
     

     
    次回のESLOは2012年、Frankfurtです。
     

  • DT.Massimo Piersanti and JLOA meeting

    SIDO から帰るとすぐに、ある一通のメールを受信しました。
    イタリアの Mr. Massimo Piersantiからです。
    イタリアで技工所をやっているが、SIDO での私の講演を聞いて感動したので、塩尻の私のオフィスまで来て、ラボを教えて欲しいというのです。
     
    数回のメールのやり取りで、いつもどおり No chargeで歓迎することにしたのですが、ちょうど3月に日本舌側矯正学会があるので、その時に合わせて来ることを勧めました。
    日本に来るのは初めてだということなので、折角来るなら、観光もしてゆきなよ、JLOAは大阪だから、Rail passを買ってきて、広島の原爆公園や厳島神社も見て行きなよと勧めました。
    京都・奈良は、来年 WSLOが大阪であるので、その際に行く機会があるでしょうから。
     
    いつもどおり松本での宿は東急インを紹介し、松本駅から広丘駅までの電車の乗り方も詳細に説明してあったので、3月18日の朝、時間通りに彼はひろ 矯正歯科に現れました。
    18日は、午前中にちょうど Indirect Bondingの患者さんと、Brace offの患者さんが入っていましたので、現在使用しているコアが如何に正確に位置づけることが出来、コアの除去も容易であるか、また、私のオリジナルプラ イヤーを使った装置撤去はどんな具合であるかを紹介しました。
     

    技工室にて
     

    晩御飯は、「かつ玄」で
     

    翌日は、ヒカリヤ東にて和食を頂きました。
     
    3日間、私のオフィスに滞在した後、土曜日は一緒に大阪に向かいました。
     

    大阪では、お決まりの「串の坊」に。小倉の瓜生先生も御招待しました。
     
    なんだかグルメ日誌のようになってきましたので、学会の話題に移りたいと思います。
     
    JLOAでは、5人の invited speakerを含む6題の演題発表がありました。
     
    最初の特別講演は、大阪で一般歯科を開業されている本多正明先生と韓国の Young Hoon Yun先生の共同発表、2題目は、六本木で ソフィア矯正歯科を開設されている島本和則先生、3題目は、竹元&Scuzzo先生の共同講演です。
     
    島本和則先生の講演は、先生がインディアナにいらっしゃった頃のお話を含めた50年間の回顧録で、大変興味深いお話でした。
    というのは、私の師である出口先生がJarabak awardを受賞された際に、私も Indiana Universityに私も呼んでいただき、リンガルについて講演をさせて頂いたからです。
    また、私の臨床ではIndian Cephalometricsを現在でも使用し、医局員時代には、Standard Edgewiseを用いて Burstone の Segmental Arch Techniqueで治療した患者さんもいますので、先生が当時苦労されたお話は大変興味深く、面白く拝聴することが出来ました。
     
    残念であったのは、本多先生のお話で、先生の日常臨床に於ける補綴のレベルが如何ほどのものかは存じませんが、講演中に「矯正の先生が○○を理解し てくれれば、、、」という言葉が 何度も何度も出てきたことです。
    全てのプログラムが終了後、最後の質疑応答の座長を私が務めさせて頂いたので、その際に、座長としてからではなく、いち矯正専門医として質問ではなく、お 願いをさせて頂きました。
    まず、矯正歯科治療は、その状態だけを見て治療の良し悪しを判断するのではなく、治療前の状態や治療途中の経過も考慮して頂きたいということ。なぜなら、 矯正治療終了時には、治療前の状態を考慮して、必ずしも他科的観点から評価した場合の Ideal occlusionに仕上げていないからです。
    治療前に下顎前歯が見えないほどの Deep Overbiteであれば、治療後は切端咬合で終わります。そのような場合には Anterior guidanceや Canine guidanceは確保されていません。
    また、II級症例に於いては、いわゆる Tweed finish、すなわち、上顎の7番を Distal tippingさせ、下顎の6の遠心辺縁隆線に、少し mesial tipさせた上顎の6番を引っかけるように仕上げるような事もあるということ、或いは、治療前に Openbiteであれば、finishは、かなり Deep Overbiteに仕上げる、等々。
    私たちは、「知らないから、出来ていない」のではなく、「知っていても5年、10年、20年という永い目で見て、そうしている」ということを理解して頂き たいと、質問ではなくてお願いをしました。
    もちろん、私は座長、先生は特別講演の演者ですので、失礼がないように、まず最初に賞賛し、ジョークをいれながら柔らかく申し上げたのですが、残念ながら 私の言っている意味を理解して頂けなかったようで、気分を害されたように見受けられました。
    私自身、矯正歯科専門に25年の歳月が経過し、患者さんの口腔内をより良い状態に持って行くには、矯正歯科単独でなく、時には歯周病医や補綴医とのチーム アプローチが必要であると痛感しておりますが、やはり矯正歯科の学会でお話をされる際には、矯正のことをもう少し理解して頂きたいと思いました。
     
    竹元 & Scuzzo先生は、いつもと同じ STbと LSWAのお話でしたが、質疑応答も終わらないうちに会場を去られたのでしょうか、おみえになりませんでした。
     
    時期 JLOAは11月3日です。
    皆様、ふるってご参加ください。

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