menu
MENU

院長日誌

学会・セミナー

  • Angle Orthodontists

    2019年2月1日〜2月6日、St.Petersbergの Trade WindsE.H.Angle Society of Orthodontists(EHASO)Midwest components Annual meetingが開催されましたので出席してきました。

     

    meetingはいつもこんな素晴らしいリゾートで開催されます。

     

    Angleの学会は、ヨーロッパにもありますが、ヨーロッパの Angle Societyは別物で、アメリカの Angle societyとは関係ないと言う先生もいます。

    正直自分には良く分かりませんし、そのような事に興味もありませんが、たしかに EHASOの websiteにはそのリンクが張られていないので、そうなのかも知れません。わかっていることは、アメリカの Angle Societyは7つの componentsから成り、中には日本人を受け入れていない componentsもあれば、正会員になるのが簡単で日本人が物凄くたくさんいる componentsもあり、それぞれ独自の Characterを持っているということです。

    自分が挑戦したのは7つの中では一番難関でハイレベルだと言われている Midwestです(自分が言っているのではありません)。

    Midwestが一番上にランク付けされる理由は、Midwestの memberになるには、アメリカの矯正専門医(ABO)の資格を持っていることが条件であること、会員になってもポイント制で会員資格を維持してゆくには所定の発表や、割り当てられたノルマを果たさなければならないことなど、理由はいくつかあります。Memberの顔ぶれも錚々たるもので、かの有名な James McNamaraや James Baldwin、James Vadenや Sheldon Rosensteinなども Midwestの memberです。自分は日本矯正歯科学会専門医(JOB)やヨーロッパ矯正専門医(EBO)は持っていますが、ABOは持っていません。(ABOを取るには、アメリカの歯科大学ないし大学院を出ていないと受験資格がないので、自分にはABOは受験資格が無いからです。) Midwestは、そうゆう先生のために、会が ABOと同じ試験を行い、所定のレベルに達した者のみが memberになる資格が与えられます。

    ちなみにその試験の内容は、

    1. 面接

    2. 症例展示

    3. 筆記試験

    4. 臨床試験

    5. リサーチ

    です。

    2の症例展示は、自分には全く問題なく、3症例ともLingualの症例を持参しました。

    問題は3の筆記試験です。ABOと同じ multiple choiceの筆記試験で、歯科領域全般について出題されるために、学生時代に勉強したことをやり直すだけでなく、technical termも覚えなければなりませんが、毎日臨床に追われて試験勉強をする時間がまったく無い自分は惨憺たる結果であったと思います。

    4の臨床試験は ABOに準じており、この試験が EBOや JOBなど、他の試験と異なるところは、まだ治療をしていない患者さんの初診時の資料を10症例持って行き、治療が終わるまで毎年その治療経過を提出し、所定の期間内に治療を完了するだけでなく、治療結果も ABOの厳しい審査基準に基づいて採点され、それに合格しなければならないという点です。ただ、これは自分は100%自信が有りました。もともとAngleにapplyした理由は、この臨床試験に10症例全てリンガルの症例を提出して合格点を取ることだったのですが、Examinerから Labialの症例も出すように言われたために、全症例リンガルというのは実現せず、1症例は Labialの症例を提出しました。症例提出に際し、同意書にサインをして頂きました患者さんの皆様には心から感謝致します。

    4つめのresearchは、何でも良いと言うわけでは無く、何について研究をするか毎年 Scientific committeeと打ち合わせ、患者さんの資料を使う場合にはリサーチに取りかかる前に IRBを取得しなければなりません。大学に所属していない自分は、この面倒な IRBを避けて通りたかったので、舌側矯正のワイヤーを materialに使った研究をしました。

     

    2017年の meetingで全て自分はひととおりの requirementを果たし、本当なら2018年の meetingで大阪の井上先生と一緒に memberとして certificateを貰う筈だったのですが、2018年の meetingがドイツのリンガルの学会〜Paris Vと重なってしまったためにAngleには参加できず、今年になったわけです。

    ちなみに、Midwestのmemberで、日本で矯正歯科専門開業しているのは、自分と大阪の井上裕子先生の2人だけです。

    井上先生は大阪大学をトップで卒業された、頭脳明晰、もの凄く優秀で親切な先生です。

    Angleの memberになるのは長い道のりで本当に大変でしたが、これで終わりでは無く、ここから一層頑張らなければ、と思っています。

     


    今回、自分を含めて7名の先生が memberとなりました。

     


    アメリカではいつもOutback Steakhouseに行きますが、近くになかったために、Longhorn Steakhouseに。
    パンが出てくるなど、スタイルは基本的に同じですが、こっちのほうが安くて美味しかったです。

     

    お昼ごはんは毎日ホテルでOMG Burgerとビールを頂きました。
    OMGは、Oh My Godの略です。

     

  • 第77回日矯学会に参加して感じたこと

    2018年10月30日〜11月1日、第77回日本矯正歯科学会がパシフィコ横浜で開催されました。

    本大会は、第7回日韓ジョイントミーティングも併せて行われました。

    日矯学会の認定医・指導医・専門医を維持してゆくには、5年に1度の更新試験と、指導者講習会への参加、日矯学会が認めた学会に参加して5年間で所定のポイントを得なければなりません。

    日矯学会への参加は義務では無いのですが、歯科医師免許を下附されてから34年間、記憶の限りでは、日矯学会に参加しなかったのは一度だけ、開催地があまりにも僻地で交通の便が悪いために断念したことがあったように記憶しています。

    そのあと、学会場へのアクセスと周辺の宿泊施設の問題で、日矯学会大会は基本的に都市部で行う、と決まった筈ですが、最近はまた主管大学の近所で行われるようになってきています。

    個人的にはいろんな地を巡れるほうが楽しいですが、、。

     

     


    会場のパシフィコ横浜

     

    今回の日矯学会は、臨床セミナー、基調講演、教育講演、特別講演や240にも及ぶ学術展示、認定医・専門医試験に提出された症例も全てチェック、3日間、まったく会場から離れることが出来ませんでした。

     


    学術展示会場

     

    AAO会長のBrent E. Larson先生の “Creating an Exciting Future for the AAO”、ギリシャ矯正歯科学会会長のPanagiotis Skoularikis先生の “An Overview in European and Greek Orthodontics”、Asian Pacific Orthodontic Society会長のYanheng Zhou先生の “Digital Orthodontics, Current and Future” 、そして2020年に開催されるIOCの委員長の小野卓史先生の “未来への想い:2020年とその彼方へ”という講演は非常に興味深く聞くことができました。

    なかでも、World Federation of Orthodonticsの会長であるAllan Rhodes Thom先生の “How did we get here and where are we going? Orthodontics around the world”、さらにBoston Univ.の主任教授であるLeslie A. Will先生の “Orthodontic education in the United States: Past, Present, and Future”という講演は、最近自分が憂いていることと全く同じ事をそのままお話しされており、自分だけでは無く世界のいろんな矯正専門医が最近の矯正歯科の風潮に嘆き、将来を憂いているのだと確認することが出来ました。

    その最たるものは、「マウスピース矯正」です。
    日本では「マウスピース矯正」という言葉が使われていますが、アメリカでは、Alignerには “Orthodontics”という言葉は使われていないのです。
    つまり、あんな物は矯正治療では無いのです。
    AlgnerのUser(先生ではなくてUser)が集まり、「Aligner研究会」なるものを各地で行っています。
    誰が何処に集まって何を話していようが、それは自由です。
    ただ、真剣に矯正歯科に取り組んでいる矯正専門医の立場から、はっきりと言っておきたいのは、あんな物に「マウスピース矯正」などと「矯正」という言葉を使うのは断じてやめて頂きたいということです。

    「矯正歯科」とは、治療に必要な検査を行い、それを分析し、矯正診断を行い、治療方針を立て、計画的に治療を行うものであり、歯科矯正学の専門的知識と並々ならぬ努力の元に培われた技術がなければ治療が出来ないものです。
    今から約100年ほど前のE.H. AngleとC.H. Tweedの論争は矯正歯科医であれば誰もが知っていることです。

    アライナーについては、EACFMSのブログにも書きましたが、あんなものはMarcy’sでキットを買って送れば、装置を作って返送してくれるので、やりたい患者さんは歯医者に法外なお金を払うのではなく、直接そちらに注文すれば良いのです。

    つまり、検査も必要無ければ、分析も診断も必要無い、歯が並べばそれでOK、こんなものは矯正歯科ではないのです。

    Will先生も「アライナーは一般歯科医がやるものであり、矯正歯科専門医がやる物ではない、ネットで注文できるし、スーパーマーケットでも売っている」と、スライドを出されてはっきりと言っておられました。
    Invisalineが発明された当初、歯には何も付けずに透明の薄い取り外しが出来ることが画期的であった筈です。
    白人の非抜歯の簡単な症例は多少動かす事は出来ても、日本人の著しい叢生症例や抜歯症例でコントロールが出来なくなってくると、歯にボタンやノッチを付け始め、挙げ句の果てには、最近では顎間ゴムまで使っていますが、見ていて見苦しいことこの上ない、悪あがき以外の何でもないという事です。
    ブラケットとワイヤーで歯をコントロールする技術が無いからそんな事をやるなら、矯正歯科を辞めればいいと思いませんか?

    ユーザーの1人は、「ヒロは何故そんなに忙しいんだ、1日中ワイヤーを曲げているんだろう、アライナーにすれば楽だよ」と言いましたが、「100の結果が出せる技術があるのにサボりたいからアライナーで 50,40,30のレベルの治療をするくらいなら、歯医者を辞めたほうがいい」と言ってやりました。
    矯正治療を受けるために一生懸命働いて貯金して、何時間も車を運転して治療にやってくる患者さんや、子供の歯並びを治すために夜遅くまでスーパーで働くお母さんを見ていると、自分にはそんないい加減な事は出来ません。

     

    それからもう一つ、医療分野ではデジタル化が盛んに進んでいます。
    デジタルを精力的にやっている先生が「日本は遅れている」と口癖のように言いますが、はっきりと言わせて貰うと、日本が遅れているのではなく、日本人の矯正治療に用いるには、Hard, Soft両方の点で、まだ満足のいくものではないために、殆どの先生が導入を見合わせているのであり、「遅れている」のでは無い筈です。
    過去の院長日誌にも書きましたが、自分が Incognitoの発明者であるDirk Wiechmannの Officeに遊びに行ったのが2003年、今から15年前で、Incognitoが今のように一大勢力になる遥か前、そして私の臨床にも Incognitoを取り入れて何症例か治療したのが12年前です。
    アメリカの某大学は今から8年前に全てデジタル化し、印象もアルジネイト印象をやめて Intra Oral Scannerに変えていますし、インドの先生は5年以上前にはすでに 3DCTと Intra Oral Scannerの dataを combineさせてIBSを行っています。

    ひろ矯正歯科でも舌側矯正の Set upを Digital set up+3D printerで行ってみましたが、「お話にならない」レベルで、working timeも比較にならないため、IBSは従来どおりの manual set upを使っています。

    私が言いたいのは、digitalの話をする先生は、digital化していない先生を遅れているように言い、digitalの良い点しか言わないという事です。
    良いことだけを強調して述べ、悪い点については触れないのは、医学の進歩に貢献するどころか、逆に妨げになります。
    私がDGLOでDigitalについて講演をさせて頂いた時には、Digitalの良い点だけでなく、問題点もしっかりと指摘してきました。
    いつかは全てデジタル化することは間違いないでしょうが、現時点では digitalよりもnon-digitalの方が優れている点が多々あります。
    CAD/CAM冠などが良い例で、職人的技工士の焼成した陶材焼き付け冠とは比較にもなりません。

    矯正歯科は職人的要素が強い医療分野であるだけに、自分は DigitalとNon-digitalをしっかりと使い分けてゆきたいと思っています。
    私達がdeviceを使うのであって、deviceに私達が使われているようではオシマイです。

     

    Angle Orthodontistに掲載されたpaperを紹介します(画像クリックで full textに飛びます)。
    Angle誌は全文を読むには所定の手続きを踏まないと読めないのですが、この記事は Open accessですので、ここに紹介します。
    日本の矯正歯科の先生方、読んでみてください。
    このままで良いと思いますか?

     

     

     

    来年の日矯学会は、11/20-22日、長崎のフリックホールで開催されます。

     

  • EACMFS

    頭蓋顎顔面手術の治療に関する学会、EACMFS(European Association for Cranio Maxillo Facial Surgery)の第24回学術大会が9月18日から21日、ドイツ ミュンヘンで開催されましたので、参加してきました。
    この学会は、今回はミュンヘンで開催されましたが、International meetingで、参加する先生も世界中から、開催地も世界各地で開催されており、顎顔面手術に関する学会では、最も権威のある学会です。

     

    参加目的は、
    1,最新の口腔外科手術の実態を知るには、日本の口腔外科学会よりも世界中のスペシャリストが集まる学会に参加した方が良い
    2,外科的矯正治療は日本だけでなく世界的に Surgery firstが一般的になりつつあるが、その現状とレベルについて知っておきたい
    3,最近の digital化により、外科矯正も 3DCTと Intra Oral Scannerのdataを combineして Virtual Surgeryを行うのが当たり前になってきているので、機械大国ドイツでの実態と精度について知っておきたい
    等です。

     

    ひろ矯正歯科では、患者さんの治療を行うにあたり、まず、初診相談でお口の中を拝見させて頂き、おおよその治療方法、治療期間、必要な費用などを御説明させて頂きます。
    カウンセリングのあと、詳しい検査を希望された患者さんに対してのみ、矯正歯科治療を行うために必要な検査を行い、分析した検査資料から矯正診断を行い、治療方針を患者さんに御説明し、患者さん御自身の同意が得られた場合にのみ矯正歯科治療を開始しています。
    「歯並びを治すのに大人の歯を4本抜いた」という話を聞いたことがあると思います。
    また、「すごい受け口を治すのに手術して下アゴを引っこめた」という話も聞いたことがあるかも知れません。
    抜歯に関しては、患者さんからすれば、出来るだけ歯を抜かないで治療したいのは当然でしょうし、私達矯正歯科医としてもなるべく抜かないで治療したいのですが、分析の結果、抜いた方が良いと診断結果が出ているのに、無理に抜かないで治すと、歯の寿命を著しく縮めてしまったり、満足な治療結果が得られない等々、いろんな問題が出てきます。
    白人は凸凹の度合いが軽度ですので、抜歯治療の割合が約30%ですが、日本人は叢生が著しいために、概ね70%は抜歯症例であると報告されています
    つまり10人患者さんがいれば、7人は抜歯が必要であるということです。
    ちなみに、ひろ矯正歯科では、抜歯の比率は概ね50%と、日矯学会誌のデータよりも少なくなっています。これは、成長期の患者さんは成長をコントロールすることで、非抜歯で治療することが出来、この比率が他の医院よりも多いためです。
    (※戒田清和他:鶴見大学歯学部附属病院矯正科の過去25年間における抜歯部位および頻度についての検討、日矯歯誌 57,103-106,1998.)

     

    手術に関しては、基本的に健康保険適用となり、手術を併用して矯正治療を行う場合は、矯正治療も健康保険適用となります。
    ものすごい出っ歯や受け口で、著しい骨格的な異常を伴っており、矯正歯科のみで治療するよりも、外科手術を併用して治療した方が良い場合があります。いわゆる外科矯正で、症例が全体の患者さんに占める割合は医療施設によってかなり開きがあり、東京の某先生は、全体の 50%を超えると言っていましたが、日本の矯正歯科専門医における平均は、概ね13~17%であると言われています。
    ちなみに、ひろ矯正歯科では、徹底的に外科手術を避けて治療しておりますので、外科矯正の割合は全体の患者さんの 0.2%に過ぎません。つまり、矯正歯科専門医では、100人中 13〜17人が外科矯正で治療しているのに対し、ひろ矯正歯科では 1000人中 2人程しか居ないということです。この 0.2%の人は、著しい顎変形を伴っており、手術しなければ患者さんが治療結果に満足出来ないと診断し、患者さん御自身も外科手術を希望された場合です。

     

    Surgery firstに関しては、いろいろ言いたいことがあるのですが、個人的な事情により、今は書くことが出来ませんので、またの機会に書きたいと思います。

     

    17日羽田発ミュンヘンまで直行のANAに乗り、ミュンヘンのホテルには、午後7時頃に到着。ヨーロッパに行ったときはいつも、最初の3日くらいは必ず夜中3時頃に目が開いて寝れなくなり、空腹との闘いになりますので、ホテルに到着後はハンバーガーと、ウエルカムドリンクのヴァイッェンビールをいただき、11時頃に寝ましたが、、、やはり夜中の 3時頃に目が開いてしまい、仕方なく起きて仕事をします。

     

    とはいえ、今回の学会では講演はせず、聞くだけなので、時間に追われて Power Pointと格闘するというわけではないので、気が楽です。
    海外の学会で発表しないで聞くだけというのは、記憶の限りでは今回が初めてかな、と思います。
    発表しないとこんなにも気が楽なんだなあ、ということを初めて体験、これが普通なのでしょうが、なんだか罪悪感のような、申し訳ないような気がしました。

     


    ハンバーガーとヴァイッェンビア、美味しかったです。

     

    18日は朝から会場まで歩いて行き、事前登録のカウンターで参加証と抄録を、、ところが、抄録は無し、携帯にアプリをダウンロードして、携帯で見るようになっています。
    抄録の印刷費が節約でき、かさばらなくてよいのでしょうが、アンダーラインを引いたり、付箋を付けたり、ペンで書き込んだりすることが出来ないので、非常に不便でした。
    バッテリー切れに備えてモバイルバッテリーを持って行ったのは正解でした。

     


    学会場の Gasteig。講演会場は、この Gasteig、向かいの Holiday Innです。物凄い大きな学会でした。

     


    講演会場に入りきれずに通路まで人が溢れている講演もありました。

     


    その夜はホテルの近くの Haxnbauerでシュバイハクセを食べました。普通、シュバイハクセは少し臭みがあるのですが、ハクセンバウアーのシュバイハクセは少しも臭みが無く、外はカリカリ、中はジューシーで凄く美味しかったです。

     


    翌朝はホテルの近くの産直市場、Viktualienmarktを通って会場に向かいます。

     


    モーニング珈琲でなくて、モーニングビア〜、、、さすがミュンヘン。

     

    4日間を通しての感想は、「世界の一流の口腔外科の先生は、ここまで顔面再建するのか!」と感激しました。特に小児外傷の治療の手術に関しての Edward Ellis先生の講演、上顎癌や頭蓋骨再建についての Andre Eckardt先生の講演は本当に感銘を受けました。
    たとえば、組織の損傷が著しい場合には、身体の他の部分から皮膚を切り取って移植するのですが(植皮、皮弁)、もっと損傷が著しい場合、筋被弁を行います。
    つまり、皮膚だけを薄く剥がして患部に移植するのが植皮・皮弁ですが、筋組織に含まれる血管ごと切り取り、患部に移植するのが筋被弁です。
    この後のリンク先に含まれる画像は、一般の方には少しショッキングだと思いますので、どうしても見たい方だけどうぞ。

     

    その1その2

     

    上顎骨が半分無い患者さんの顔面も見事に再建してしまう技術には、本当に感激しました。
    皮膚の再建に関しては、火傷で皮膚が著しい損傷を受けた場合に、ティラピア(魚)の皮を使って治療する事を考え出したBrazil、Ceará大学のOdorico de Morais教授は、考えついた事自体が偉大ですが、もっと凄いのは、火傷治療だけに終わらず、ティラピアでの治療は今はもっと進化を遂げ、ロキタンスキー症候群(子宮と膣の一部が先天的に欠如している先天性の疾患)の患者さんの膣再建までも成功しているということです。

     

    今回、EACMFSに参加して、ひしと思ったことは、この先生達は一生懸命切磋琢磨して自分の技術を磨き、自分の行う治療に誇りを持っており、患者さんの治療を行うことに生きがいを感じている、ということです。

     

    それに比べると、最近の矯正歯科はどこに向かっているのでしょうか。「インビ○ライン」などに代表されるいわゆる「マウスピース矯正」、情けない限りです。
    永年、専門教育を受け、しっかりとした技術と能力を持っている筈の専門医までもが、こんなクソみたいな物に手を出し、高価な治療代を患者さんに請求し、「歯並べ」を行う。
    そもそも矯正歯科というのは、きちんとした理論に裏付けられた診断と治療目標があり、ただ単に歯を並べて終わりでは無い筈です。
    こんなものは矯正歯科ではないので、「マウスピース矯正」などと、「矯正」という言葉を使うのはやめて頂きたい。「マウスピース歯並べ」とか、「歯並べ倶楽部」と言って欲しいです。
    実際にアメリカのアライナーの広告には、Orthodontics(矯正歯科)という言葉は使われていません。
    やっている先生達は、「需要があるから仕方が無い」とか、「ワイヤーベンディングに朝から晩まで時間と体力を尽くす奴は馬鹿だ」と言いますが、真の矯正専門医はこんな物に手を出しません!
    需要があれば良いのか、並べば良いのか、という低レベルな話になってくると閉口しますが、例えば、この先生達が銀座の寿司屋に寿司を食べに行って、大将がスーパーで買ってきた寿司を出して来たら、怒りますよね?  大将の言い分は「オレが握るより、西友の寿司の方が旨めえんだ、文句あっか?」と言ったら張り倒すでしょう。

     

    どうしても「マウスピース歯並べ」をやりたい患者さんは、歯医者に大金を支払わないで、そのお金でアメリカに行き、Marcy’sでアライナーのキットを購入して送れば($79)、アライナーを作って返送してくれるので、そのほうが遥かにマシだと思います。もちろん、行かなくてもネット注文も可能です。
    あまり書くと、アライナーをやっている先生から嫌がらせを受けますので、このへんでやめときます。

     

    学会の翌日は、オクトーバーフェストが開催されていましたので、行ってきました。
    ミュンヘンの駅は民族衣装をまとった人達でいっぱい、世界最大の祭典です。

     


    駅を降りると会場まで歩道にオクトーバーフェストのロゴがペイントされていて、そのとおりに歩いて行けば会場に着きます。
    初めてでしたが、いや、物凄いです。

     


    大テントには約4000人が収容できるそうで、この大テントが醸造所ごとに別々にあり、合計で14もあります。

     


    オクトーバーフェストでは、ウエイトレスがこんなにたくさんのジョッキーを運ぶのが有名です。
    ジョッキ一杯 1リッター(Massと言います)ありますので、この女性の運んでいるビールは、11㎏にもなります!

     


    自分も一杯飲みましたが、美味しいですね。ソーセージも美味しい!

     


    観覧車から会場全体を見てみました。驚いたことに、これらの施設はテントも、ジェットコースターも、観覧車も、全て仮設で、オクトーバーフェストが終わると全て撤去して、更地にするそうです。

     

    ミュンヘンではタクシーでは無く、公共交通機関を利用して移動しました。
    ドイツでは地下鉄、トラム、バスなどは共通の切符で乗ることが出来ます。
    1回券、1日券など、いろいろありますが、10枚綴りの回数券がお薦めです。
    回数券は1年間有効、使い方は、乗る前に必ず打刻することです。
    打刻しないで乗ると、キセル乗りで捕まり、罰金は60ユーロです。

     


    切符は自販機で買います。切符に打刻する器械は、小さな駅ではホームに、大きな駅ではホームに降りるエスカレーターの周囲にあります。

     


    切符を機械に入れると打刻されます。回数券は、右の写真のように折って機械に入れます。
    この切符で S-bahn(都市近郊電車)、U-bahn(地下鉄)、Bus(市内バス)、Tram、Regionalzugの全てに乗ることが出来ます。

     

    帰国してからもビールがやめられなくなりました。
    今日も患者さんに喜んで頂けるよう、一生懸命治療します!

     

     

1 2 3 4 5 16
to top