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院長日誌

舌側矯正

  • 2008/09/16

    Welcome to Dr.Hiro’s Lingual Orthodontic World!

    本年 7月に European Society of Lingual Orthodontics の Biannual meetingが Cannesで開催され、田舎者の私が 世界で第一号の World Board of Lingual Orthodonticsを授与された事は すでに院長日誌にアップしましたが、帰ってきてから、会場で質問を受けた先生の1人から ひろ矯正歯科に見学に行ってもいいかとメールを頂きました。
     
    ドイツ、Eislingenの Friedrich Widu先生です。
     

     
     

    僕はかまわないどさあ、うちは田舎だよ、リンガル専門じゃないよ、僕1人で仕事しているので、診療中は話したり説明したりしている暇はないよ、と、何度かメールでやり取りしましたが、それでも来たいと言うので、歓迎することにしました。
    折角ドイツから来るんだから、ラボを完全にマスターして帰りなよ、だから先生の技工士がいれば連れておいでよ、いないなら先生に教えるから、患者さんの模型を絶対に忘れないで持っておいでよ、と、伝えました。
     
    8月22日、朝礼の数分前、彼は超大きな荷物を持って医院の受付に現れました。
    荷物は僕が移動しておいてあげるから、スタッフ通用口から入ってよ、と伝え、僕は彼の荷物を運びますが、重い重い、、、。
    なんじゃこりゃ?
    一体何がはいっているんだ?? 
    金の延べ棒か、タンベルでも入っているのか??
    危うく、ぎっくり腰やっちゃうところでした。
     
    応接に案内して、いろいろと雑談をします。
    彼はルーマニアの生まれで、現在ドイツで開業しているそうです。
    アイスリンゲンというのは、人口約 8万人で、7人の矯正医がいるとのこと。かなり激戦ですね。
    彼は 2001年に開業し、現在は数軒の歯科医院を毎日回って診療しているそうです。ヨーロッパにはそうゆう先生が多く、一カ所定住で仕事をしている先生は殆どいないのではないかと思います。
    私はとてもじゃないですが、そうゆうスタイルで仕事をするつもりはありません。塩尻は超・田舎ですが、私がこの地を選んだのは、生活環境が良いからです。きちんと仕事をするには、まずは生活環境が優れていて、交通渋滞などの無駄な時間や余計なストレスがない環境で生活する事が重要である、さらに私にとっては今のスタッフ、受付、歯科衛生士、歯科技工士が一人欠けてもたいへんな障害になりますので、あちこち巡って診療なんて、私はとてもじゃないですが、そんなこと出来ません。
     
    彼は、リンガルの経験はまだ浅く、Kurzで3症例ほど治療をし、最近では Incognitoで 15症例ほど治療したが、いろんな問題があってうまくいかない、Hiro systemを使って治療したいということで、ドイツからはるばる塩尻にやってきました。
    また、この9月から Dr.Weichmannや Dr.Deckerらの指導する、かの有名な Paris V大学の Lingual Orthodontics Master Courseに入学するとのことです。(医院の患者さんはどうするのかな??)
     
    院内を簡単に案内した後、私はいつもどおり診断・治療を開始するので、まずはラボをやりなよ、と,彼を技工室に案内します。
     
    その日の午前中は、技工士のかえるさんがステップ毎に説明しながら Hiro systemの Laboratory Procedureを説明します。
     
    お昼御飯はホカ弁の“唐揚げ野菜炒め弁当”を美味しそうに食べていました。
     
    午後は、午前中に説明した手順どおりに彼自身が自分の症例をセットアップします。
     

     
    ラボが一段落したところで、降りてきて診療見学です。
     

     

    夕方、診療が終わると質問の嵐。
    まず、「今日のお昼御飯は誰に払えばいい?」というので、「そんなの、イラナイ、イラナイ」とうと、「何故だ、なぜいらないんだ?」と実に謙虚。
    それから、「見学して、技工を教えて貰うのに、いくら払えばいい?」というので、「イラナイ、イラナイ、フリー、フリー、マイプレジャーだ」とうと、「何故だ、なぜ取らないんだ?」と、不思議そう。
    世間には、100万円位払わないと見学させてくれない先生もいるので、不思議がるのも当然と言えば当然ですが、私はみんながリンガルで困っているなら、少しでもお役にたてればそれでいいと考えていますので、お金は受け取りません。
    これだけ時間を割いて一つ一つ教えて、1円も取らないというのは、教わる方からすると変な気分なんでしょうか、、。
     
    その日の夜は、歯科医師会の会合があったのですが、はるばるドイツから来た彼を放っておくわけにはいきませんでしたので、歯科医師会は欠席させて頂き、一緒に食事に行きました。
    塩筑歯科医師会の先生方、すみません m(_ _)m。
     

    まずは、いつもの OLD ROCKで喉を潤してから、、。
     

     

    折角日本に来たのだから、日本文化を味わって頂こうと、焼き鳥「大吉」にお連れしました。
     

     

    鳥かわ、厚揚げ、手羽、なんこつ、焼きおにぎり、etc.
    美味しい、美味しいと感激しています。
    クリスピーな鳥かわと、なんこつが一番気に入ったようです。
    明日も診療は 10:00からだけど、僕は朝8時少し過ぎには来ているので、いつでも好きな時間においで、グーテン・ナハト、と告げてさようなら。
     
    翌日は10時少し過ぎた頃に彼から電話があり、「時差ボケで寝坊してしまった。今から行く。アイムソーリー、アイムソーリー」と、ただただ謝っていますが、「いいよ、いいよ、ゆっくりしておいで~」と伝えます。
    11時すこし前に到着、ラボの続きです。
    今日は昨日セットアップした彼自身の模型を使って、コアを作ります。
    夕方、完全に理解できた、と、喜んでいました。
    それはよかった、よかった、、。
    終礼のあと、電車の時間まで少し時間があるので、質問を受けます。
    20個ほどの質問が矢継ぎ早に飛び出します。
    ある程度答えたところで、電車の時間になったので、晩御飯のお店の地図を渡して、現地集合。
     
    そうです、日本文化、しゃぶしゃぶです。
    仙岳のしゃぶしゃぶは美味しいですね。
     

     
    個人的には、仙岳別館の天ぷらが無くなってしまったのが残念でなりません。
    外人さんを接待するには最高のお店だったんです。
     

    彼と話していると、開業した頃の事を思い出します。
    ひろ矯正歯科は、もう少しで開業15周年になります。
    最初は狭いテナントで女房と2人で始めたのが昨日のことのようです。
    開業当初は歯科医師会の先生方が応援してくださり、今では、患者さんからの紹介がたくさん来られます。
    矯正一筋、一生懸命努力した甲斐があって、こんな田舎の矯正医がどうゆうわけか日本国外でも少しは注目される存在になりました。
    自分一人の力でここまで来れたのではありません。
    自分を支えてくれるスタッフにもいつもいつも心から感謝をしております。
    明日からまた頑張るべ~。
    Friedrich, アウフ ヴィーダー ゼーエン!
     
     

    求人情報:
    ひろ矯正歯科では、歯科衛生士、歯科医師を募集しています。
    興味のある方は、お気軽にメール<info@mienai.com>
    或いはお電話 0263-54-6622 ください。
    御連絡をお待ちしております。

  • JLOA 20周年記念大会

    日本の舌側矯正の集まりである、JLOAの20周年記念大会が3月20日、大阪の中之島センタービルで開催されました。
    特別講演として、今年のESLOのSecretaryの Germain Becker先生が来日されました。


    Germain Becker先生です。


    尊敬する松野先生 現JLOA会長です。


    尊敬する小谷田先生


    僭越ではございましたが、御指名でございましたので、
    座長は私が務めさせて頂きました。


    いつもは自分がCertificateを貰う立場ですが、
    この日は僕がBecker先生にお渡ししました。


    翌日は良いお天気で、奥様と奈良観光を楽しまれました。


    Becker先生、鹿にビックリ!

    今まで、学会などのブログは講演内容などもある程度紹介してきましたが、、、今回はオミットです。
    何故か、、、。
    書きたいけど書けない、、でも書かないと、わからないでしょうか、、。

    学会や学術会は公の場であり、意見を交換するところです。
    個人のアピールをしたり、個人のバッシングをする場ではないはずです。
    講演内容までは学会側でチェック出来ないので、学会の落ち度ではなく、これは個人個人のモラルの問題です。

    若手の先生方も、前夜、あれほどのバイタリティがあるなら、それを違うところで生せないのかなと思いました。
    将来を担っているのですから、発表なども頑張って下さい。

  • Hiro’s Lingual Orthodontic Course in Universitat Internacional de Catalunya

    スペインはバルセロナのカタルーニャ国際大学歯学部歯科矯正学講座から舌側矯正全般と Hiro system Laboratory workに関する特別講義をしてくれと、大変光栄な御招待を頂き、行って参りました。


    スペインの大学のシステムは日本とはかなり異なり、矯正科には15余名の教授がいます。
    筆頭教授は、Professor and Chairman の Andreu Puigdollers先生で、その門下に十数名の著名な教授達がいます。
    Professor達は皆開業しており、週に1日以上大学に来て、学生達の指導をし、研究をし、論文を書きます。(羨ましい限りです)
    その20名近い教授達を相手に丸1日、さらに2日目、3日目は教授達に加え、大学院の先生や大学院生を相手に舌側矯正のコースをするわけですから、英語が下手な自分にとっては そのプレッシャーたるや 並大抵の物ではありません。
    いつも海外の学会で発表する時には特に緊張はしないのですが、今回は質問攻めにあうのは必至だからです。
    初めて世界デビューした時は、質問の意図するところが理解できず、苦しんだ思い出があります。

    今回のセミナーは、半年以上前に招待の通知を受けていたものの、毎日、診療が終わるとグッタリで、食後に意識不明となってしまう事が多く、思うように準備が捗りません。
    間に合わなかったら大変なことになると、毎日 マウス片手に深夜まで、、、気がつくとコックリコックリ、カミさんには「もう寝たほうがいいんじゃない?」と言われる毎日でしたが、なんとか準備は無事に終わりまして、大盛況のうちに終わることが出来ました。



    飛行機は、、先方が用意してくれた British Airwayのチケットで搭乗してみると、、、うをっつ!! 個室じゃん!! すご!! (すみません、貧乏なもので、、)  食事もおいちい。


    講義前日、Fernandoがビーチにあるレストランに食事に連れってくれました。
    全てが美味しい、、。


    市内にはこうゆうレンタルサイクルが至るところにあります。
    こうゆう Stationがあちこちにあり、契約すると乗りたいところで乗り、駐めたいところで駐めれるというスグレ物です。


    彼の診療所は Barcelona(人口160万人)の中でも高級住宅街にあります。
    ガラスで仕切られているのは個室の診療室ではなく、中庭です。
    素晴らしい診療環境でした。

    スペインの歯科事情は日本よりも もっと深刻です。
    Barcelonaには約3000軒の歯科医院があり、また、彼のオフィスの半径500m以内には、6軒の矯正歯科専門医が開業しているとのことです。
    全ての歯科医院は、歯科技工士を置くことが認められておらず、歯科技工士は難しい試験に合格した後、歯科技工所に勤務するのが普通です。
    自分で技工所を開業しようとすれば、歯科医院とつながっていない別のオフィスで、いろんな厳しい検査に合格して初めて認定番号を交付され、開業することが出来ます。

    歯科衛生士は、少しでも給与が良い職場があるとすぐに辞めて行くので安定せず、大変だそうです。
    ひろ矯正歯科でも昔はある朝突然辞めて行く人がいましたが、最近はみんな一丸となって頑張ってくれているので本当に助かります。
    願わくば、歯科衛生士の求人に もう少し反応があると助かりますが、、。
    歯科医師も末永く付き合える先生を求人しています。
    興味のある方は、是非一度見学に来てください。


    毎日、Fernandoが AUDI TTで迎えに来てくれました。


    大学には PC roomや英語を習得するための特別な部屋もあります。


    ここで講義をします。


    矯正歯科診療室です。


    学食です。学食なのにすごく美味しい。


    学食の一部は僕のために貸しきりとなっていました、、感激。


    Under graduate, Post graduate, Professor、、写真は参加者の約1/3です。


    最初は Power Point内の原稿を読んでいましたが、ものの数分でアドリブに、、


    今回のコースでは、是非とも実習を入れてくれと懇願し、FernandoとProf. Puigdollers、DTのGloria、それからたくさんのResidentsのおかげで、実習が実現しました。本当に本当に皆様に感謝です。


    実際にセットアップを使ってHiro systemの実習を行いました。
    この日は、なんと、夜8時まで!


    最新の Materialを使っての Hiro systemの最新版はすでにペーパーになっています。


    1日目は、ちょうど Foot ballのある日で、Fernandoは観戦に連れて行ってくれました。


    打ち上げは、丘の上にある高級レストランに招待してくださいました。
    この隣にもうひとテーブルあり、Chairmanと Professor達と たくさんの Residents達と楽しくお食事をすることができました。



    Professor & Chairman のPuigdollers先生と Prof. Anna Molina


    講演が終わった後、個人的な質問に答えていた事に加え、土曜日ということもあって、帰っちゃった先生もいて、全員で写真を撮れなかったのが残念です。

    飛行機もホテルも食事も全て出してくれて、超VIP扱いの待遇には本当に感激しました。
    Prof. Puigdollersはじめ、手伝って下さった Professor達、Residents達、そして何よりも Fernandoに心から感謝します。
    こんな田舎の矯正専門医でも、一生懸命やっていると、いつかは良いことがありますね。
    これからも患者さんに少しでも良い治療を受けて頂けるよう、精一杯頑張ります。
    出張の際には休診になりますので、患者さんの皆さんにはご不自由をおかけしますが、歯科医学の進歩のためですので、御理解いただきますようお願い致します。

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