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院長日誌

試験

  • 2022/04/04

    第115回歯科医師国家試験

    先日、第115回歯科医師国家試験の結果が厚労省から告示されました。

    全国 28校全体の合格率は 61.6%(受験者数 3,198人、合格者 1,969人)、内訳は、新卒者が 1,999人中合格者 1,542人(合格率 77.1%)、 既卒者(いわゆる国試浪人)が1,199人中合格者 427人(合格率35.6%)とのことです。

     

     

     

    私が歯科医師国試を受験した頃は、たしか 100%が 10校くらい、母校の松本歯科大学は新卒既卒の合計が 97.6%だったと思いますので、それに比べると随分と合格率が低くなっています。

    これは国の政策で歯科医師国試のカットラインが変わったことによるものだそうです。

    私が学生の頃は、「留年」っていうと、とんでもないことをしでかしてしまったというイメージがありましたが、今では留年や放校は珍しくないようで、歯学部に入学してから一度も留年せずに、一発で国試に合格する学生は、国公私立全ての大学で概ね 50%ほど、つまり一緒に入学したクラスメートの半分しかいないということになります。

    今や歯学部に入学したら、国試までの6年間、相当気合いを入れて、毎日毎日、本当に一生懸命勉強しないと歯科医師になれないのです。

     

    上の表に示すように、我が母校松本歯科大学の現役の合格率は、全国国公私立 28校中 2位で、全ての国立大学よりも良い成績です。母校の先生方、学生さん達、よく頑張ってくれています。

    既卒の国試浪人を含む総数では全国 8位と、こちらも優秀ですが、既卒の国試浪人の合格率が 15.4%ですから、彼らがクリアすることが出来れば、全体の合格率は飛躍的にアップします。

    国試浪人の皆さん、目標も期限もなしにダラダラやっていてもダメです。

    「次回の国試に受からなければ歯科医師は諦める」という覚悟で国試に臨んで欲しいと思います。

     

    私は母校の国試合格率が高いからといって自慢するつもりはありませんし、松本歯科大学OBであるということは、別に誇りに思ってもいませんし、恥じてもいませんので HPにも明記していますが、卒業生の中には、松歯大卒であることを隠す者がいます。

    歯科医師の中には、自分よりもランクが低いと思われる大学の出身者を馬鹿にし、歯科医師としてのレベルが低いように見下したりする人がいるからです。

    実際に私自身、学会やセミナーなど、公衆の面前で自分の耳を疑うような侮辱をされたことが何度かあります。

     

    矯正歯科界に於いても、出身校を聞いた途端に態度が横柄になったり、SWAを使っている先生を wire bendingが出来ないと決めつけて馬鹿にする人がいます。

    私自身は日常臨床では Chair timeを短くし、患者さんの快適さのために SWAを使っていますが、 必要に応じて 2×4、2×6、loop mechanicsも使いますし、Burston の Segmentも使っています。
    TPAは印象を採ってラボで曲げる先生が多いですが、私は曲げ始めからセットするまで約5分ですので、 chair sideで曲げています。

    Wire bendingは矯正の初歩の初歩なのですから、出来て当たり前なのに、そんなことで自分が優れていると勘違いして天狗になり、あろうことか、国立大学の助教が、授業中に、大勢の学生の前で、「松本歯科大学とか日本歯科大学新潟歯学部にはデンタルで行ったけど、馬鹿すぎて困った」などと発言した事実があります。

    学生を指導する立場の人間が、授業中に、公の場でそのような事を言う、これは決して許される問題ではありませんので、時期を見て主任教授、学務、歯学部長に抗議したいと思っています。

    日本の大学も外国の大学のように、学生が指導教官を評価するシステムを取り入れ、このような不適切なインストラクターは大学から追放されるようにならないと、歯科大学での教育は良くならないと思います。

     

    私が母校に望むことは、名物教授の存在です。

    私が学生の頃は、例えば口腔外科では千野武広先生、待田順治先生、補綴では橋本京一先生、保存では安田英一先生、障がい者歯科では笠原浩先生、矯正歯科では出口敏雄先生などなど、日本でも指折りの教授がたくさんおみえになりました。

    今でも宇田川先生のように世界で活躍されている先生はいらっしゃいますが、「○○教授の○○を勉強したいから松本歯科大学に入りたい」という学生が増えてくれれば、学生のレベルももっともっと上がり、国試合格率も自然とアップするのではないかなと思います。

    納村先生時代の日大矯正歯科は凄かったなあ、、。

     

  • Angle Orthodontists

    2019年2月1日〜2月6日、St.Petersbergの Trade WindsE.H.Angle Society of Orthodontists(EHASO)Midwest components Annual meetingが開催されましたので出席してきました。

     

    meetingはいつもこんな素晴らしいリゾートで開催されます。

     

    Angleの学会は、ヨーロッパにもありますが、ヨーロッパの Angle Societyは別物で、アメリカの Angle societyとは関係ないと言う先生もいます。

    正直自分には良く分かりませんし、そのような事に興味もありませんが、たしかに EHASOの websiteにはそのリンクが張られていないので、そうなのかも知れません。わかっていることは、アメリカの Angle Societyは7つの componentsから成り、中には日本人を受け入れていない componentsもあれば、正会員になるのが簡単で日本人が物凄くたくさんいる componentsもあり、それぞれ独自の Characterを持っているということです。

    自分が挑戦したのは7つの中では一番難関でハイレベルだと言われている Midwestです(自分が言っているのではありません)。

    Midwestが一番上にランク付けされる理由は、Midwestの memberになるには、アメリカの矯正専門医(ABO)の資格を持っていることが条件であること、会員になってもポイント制で会員資格を維持してゆくには所定の発表や、割り当てられたノルマを果たさなければならないことなど、理由はいくつかあります。Memberの顔ぶれも錚々たるもので、かの有名な James McNamaraや James Baldwin、James Vadenや Sheldon Rosensteinなども Midwestの memberです。自分は日本矯正歯科学会専門医(JOB)やヨーロッパ矯正専門医(EBO)は持っていますが、ABOは持っていません。(ABOを取るには、アメリカの歯科大学ないし大学院を出ていないと受験資格がないので、自分にはABOは受験資格が無いからです。) Midwestは、そうゆう先生のために、会が ABOと同じ試験を行い、所定のレベルに達した者のみが memberになる資格が与えられます。

    ちなみにその試験の内容は、

    1. 面接

    2. 症例展示

    3. 筆記試験

    4. 臨床試験

    5. リサーチ

    です。

    2の症例展示は、自分には全く問題なく、3症例ともLingualの症例を持参しました。

    問題は3の筆記試験です。ABOと同じ multiple choiceの筆記試験で、歯科領域全般について出題されるために、学生時代に勉強したことをやり直すだけでなく、technical termも覚えなければなりませんが、毎日臨床に追われて試験勉強をする時間がまったく無い自分は惨憺たる結果であったと思います。

    4の臨床試験は ABOに準じており、この試験が EBOや JOBなど、他の試験と異なるところは、まだ治療をしていない患者さんの初診時の資料を10症例持って行き、治療が終わるまで毎年その治療経過を提出し、所定の期間内に治療を完了するだけでなく、治療結果も ABOの厳しい審査基準に基づいて採点され、それに合格しなければならないという点です。ただ、これは自分は100%自信が有りました。もともとAngleにapplyした理由は、この臨床試験に10症例全てリンガルの症例を提出して合格点を取ることだったのですが、Examinerから Labialの症例も出すように言われたために、全症例リンガルというのは実現せず、1症例は Labialの症例を提出しました。症例提出に際し、同意書にサインをして頂きました患者さんの皆様には心から感謝致します。

    4つめのresearchは、何でも良いと言うわけでは無く、何について研究をするか毎年 Scientific committeeと打ち合わせ、患者さんの資料を使う場合にはリサーチに取りかかる前に IRBを取得しなければなりません。大学に所属していない自分は、この面倒な IRBを避けて通りたかったので、舌側矯正のワイヤーを materialに使った研究をしました。

     

    2017年の meetingで全て自分はひととおりの requirementを果たし、本当なら2018年の meetingで大阪の井上先生と一緒に memberとして certificateを貰う筈だったのですが、2018年の meetingがドイツのリンガルの学会〜Paris Vと重なってしまったためにAngleには参加できず、今年になったわけです。

    ちなみに、Midwestのmemberで、日本で矯正歯科専門開業しているのは、自分と大阪の井上裕子先生の2人だけです。

    井上先生は大阪大学をトップで卒業された、頭脳明晰、もの凄く優秀で親切な先生です。

    Angleの memberになるのは長い道のりで本当に大変でしたが、これで終わりでは無く、ここから一層頑張らなければ、と思っています。

     


    今回、自分を含めて7名の先生が memberとなりました。

     


    アメリカではいつもOutback Steakhouseに行きますが、近くになかったために、Longhorn Steakhouseに。
    パンが出てくるなど、スタイルは基本的に同じですが、こっちのほうが安くて美味しかったです。

     

    お昼ごはんは毎日ホテルでOMG Burgerとビールを頂きました。
    OMGは、Oh My Godの略です。

     

  • 日本矯正歯科学会専門医

    第69回日本矯正歯科学会大会が 9月27日~29日、パシフィコ横浜で行われました。
    今回の日矯学会では、専門医の更新のための症例展示を 3症例 舌側矯正で提出し、3症例全て合格しましたのでお知らせします。



    会場の パシフィコ横浜・会議センター


    日本矯正歯科学会の専門医制度というのは、2006年に発足し、私は札幌での初回の専門医試験で合格したことは、過去の院長日誌に書きました。
    この専門医のライセンスの有効期限は 5年間ですので、来年 2011年の 11月に更新を迎えます。

    この日矯専門医というのは、極めて厳格な試験で、全て完全匿名で行われるため、「知り合いだから合格にする」とか、「有名な先生だから合格にする」といった不正が一切まかり通らないようになっており、過去には有名な歯科大学の矯正歯科の教授でさえ落っこちているという、なんとも恐ろしい試験です。

    第一回の専門医試験で合格した者は、2011年に更新時期を迎えますが、この更新のためには、2006年以降に治療を終了し、2年以上の保定を行った新しい 3症例の治療記録を日矯学会等に提出し、合格証明を 3枚貰わなければなりません。
    毎日、診療に、学会準備に、講演活動にと追われている私は、そんなこととはつゆ知らず、来年の更新時期が来たら書類を提出して終わりだと思っていました。。。(世の中そんなに甘くはない、、)

    ちょうど半年くらい前でしょうか、たまたま仲の良い先生と話をしていて、「廣先生は、もうパス貰ったんでしょ?」というので、「何ですか、それは?」という事になって 資料提出の事を知り、「ひえ〜、今まで4年間、なんもしてねえじゃ〜ん! 今年の日矯学会でダメだったら、来年リーチ1発ってこと? それはチョ〜キビシイ!」と、目が点になりました。

    その後、どうせ更新するなら、やはり全部リンガルの症例で出そうと決め、何千とあるカルテの中から 6症例を選びました。
    日矯学会に提出するには、患者さんの同意書が必要ですので、これらの6名の方々は、リコールでお見えになった際にお願いして快諾してくださった方が5名、残りの1名の方には電話で事情を説明して、わざわざ資料採得のために出向いて頂きました。

    これら 6症例(内訳:Angle I 級叢生抜歯症例1例、II 級1類抜歯症例1例、II 級1類非抜歯症例1例、II 級2類抜歯症例1例、II 級2類非抜歯症例1例、III 級非抜歯症例1例)の中から、最終的に3症例をセレクトし、学会の約 3週間前に 提出資料作成着手と あいなりました。

    ところが、、、
    いつもどおり、毎日朝から晩まで診療に追われ、夜はクタクタ、準備しようにも、時間も集中力もありません。
    で、ロンドンの時と同じように、毎朝5時に起きて準備。
    さらに、日曜、月曜の休診日には、朝から夜遅くまで診療室に缶詰で資料作成にあたります。

    日矯まであと1週間という時に、大事件が、、。
    第2症例が、、、保定期間が1週間足りないことに気が付いたのです。
    必死で作成した資料が全て無駄になりますが、自分の不注意ですので、仕方がない。
    でも、気がついて良かった、、気付かずに出していたら、アウトですから。
    大あわてで、他の症例に差し替えです。
    レントゲンや顎模型のデュプリケートを大急ぎで注文し、トレースも原稿も全部やり直し。

    そんなことをしているうちに、専門医試験前日の 9月 25日になってしまいました。
    松本を出る時には、まだ資料が完成していないため、段ボール箱一杯の事務用品とシャーカステンを車に積み込み、ホテルで徹夜で仕上げるつもりで松本を後にしました。
    ホテル到着後は、どこにも行かず、晩御飯も部屋で済ませ、悪戦苦闘。
    幸い、26日の明け方には なんとか仕上がりました。

    目をこすりながら朝食を済ませ、学会の専門医更新会場に向かい、受験票を受け取り、規定に従って症例を展示します。
    展示を終えたら Candidateは退室しなければなりませんので、ホテルに帰って休むことに。
    エレベーターに乗ると、年配の外人御夫婦が僕のネームタグを見て、「JOS?」と声を掛けてくれました。
    「Yes, sir, I have just put my cases,,,」と二言三言、話をすると、なんと、そのお方達は、矯正界の神様、トーマス・マリガン先生御夫妻だというのです!  (私は、治療以外は全く興味がないので、有名な先生の顔など知らないのです。)
    「ほ、本当ですか?! お会いできて感激です!!」と握手し、「僕は先生の本、Common sense mechanicsを持っていますよ!」というと、ニッコリ笑って、「Oh, you poor guy!」と仰って、エレベーターの中で全員大爆笑。



    お昼御飯は、中華街にひとっ走りし、フカヒレが安くて美味しい「東華楼」に。
    しかし、数年前に食べたのと味が違う、麺が違う、、、あ〜残念。


    翌日、火曜日は日韓ジョイントミーティングの シンポジウムに出席。
    Sang-Cheol Kim先生の 「Functional Diagnosis for Class II malocclusion」、伊藤和明先生の 「成長期のClass II症例に用いるファンクショナルアプライアンスについて 〜BJAの臨床的効果〜」、Byoung-Ho Kim先生の 「Surgical strategies in skeletal class II malocclusion」は、特に興味ある講演でした。
    伊藤先生の講演は、上顎の成長抑制をすべきだと思われる症例も BJA単味で治療をされていたので、大ホールではありましたが、挙手、質問させて頂きました。
    というのは、私は下顎劣成長を伴うII級症例には、Activator Headgearを使用して上顎の成長抑制と下顎の成長促進による 極めて良好な結果を得ており、特に II級症例というのは Gummyであることが多いので、Orthopedic forceを使うべきだと考えるからです。
    私の質問に対する伊藤先生の回答では、High pull/Occipital pull HeadgearのCenter of Resistanceについて、すこし勘違いをされているようで、それが Maxillary growth controlを行わず、BJAで治療を行われている理由であろうと解釈しました。

    29日の水曜日、朝食を済ませ、専門医の審査会場に急ぎます。
    ドキドキ、ハラハラ、、、落ちたらどうしよう、、鼓動が高鳴ります。
    予定時間を過ぎても、ドアは閉ざされたまま、、。
    暫くすると、ドアが開放され、中に入ります。

    結果は、、、良かった、3症例とも合格だ!
    ハンカチで額をぬぐい、ふ〜〜っと、深呼吸、、。
    いろんな先生が私の顔をみるなり寄ってきて、「廣先生が落ちるわけないや〜ん!」と言ってくれましたが、僕は自分のことを下手だと思っているので、本当に冷汗ものでした。



    (会場内は写真撮影禁止なので、看板をバックに、事務局の方に撮って頂きました。)


    資料提出に際し、イヤな顔一つせず快諾してくださった患者さんの皆様、本当に有り難うございました。
    矯正医の中には、患者さんがサインしてくれないので受験出来ない、という先生がたくさんいるようですが、その点、私は患者さんのみなさんが理解・協力してくださり、本当に幸せだなと思います。

    先日、患者さんがお見えになった際にも、資料提出に御協力頂いたことに再度御礼を述べ、合格した旨を伝えると、自分の事のように喜んでくださり、本当に嬉しい限りです。
    これだから、一層治療に気合いが入ります。

    私は今まで、自分の治療について第三者評価を得るのを目的として、いろんな試験にトライしています。
    決して高名心で、いろんな試験にリンガルの症例で臨んでいるわけではありません。
    巷では、英会話教室の校長先生が、受ける必要のない英検試験をわざわざ受けて落っこちた、みたいな話も聞きますが、私は今のところ百発百中ですので、「ひろ矯正歯科に行けば、日本/世界で Certifyされた舌側矯正治療が受けれる」という事を証明できていると思います。

    専門医症例展示会場を後にした私は、大ホールに急ぎます。
    Mulligan先生の “Who does your thinking? You or your appliance?”は、最前列でしっかりと拝聴させて頂きました。
    僕も、いつかこんな先生になりたい、、。



    (講演中の写真撮影は禁止です。 これは、講演が終わった直後、内緒で一枚撮りました。 すみません。)


    その他、学術展示では、歯根吸収—破骨細胞に関する演題、relapseに関する演題、フッ化物が歯牙移動に及ぼす影響、ライゲーション〜フリクションに関する演題等々、面白い演題がたくさんあり、たいへん為になる日矯学会でした。

    来年は、11月18-20日、名古屋国際会議場で開催されます。

    追記:
    日矯専門医に関しては、「日本矯正歯科専門医名鑑制作委員会」なるものが製作している 有害サイト が存在します。 このサイトは日本矯正歯科学会とは無関係であるのに、あたかも学会が立ち上げているかのような 紛らわしい記述で書かれており、日本矯正歯科学会でも問題となっているサイトですので、ご注意下さい。

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